日形のソバ“船出” 花泉 今年度産を手打ち、試食【一関】
一関市花泉町の日形地域協働体・日花里の郷日形(小野寺友雄会長)のそば作りと試食会は15日、日形市民センターで開かれた。地域住民が自らが育てたソバを堪能。ソバ栽培を通じた地域活性化と収入源化に向け、一歩を踏み出した。
日形地区では過去に地域住民らでつくる「日形そば部会」でソバを栽培し、同町涌津地内で販売に取り組んでいた。部会は8年前から活動を休止したが、同協働体では部会の実績とその時に使用していた道具が同センターに保管されていることを受け、そば作りを復活させることを決めた。
同日は15人ほどが参加。日形そば部会で調理していた加藤悦子さん(62)らが指導し、二八そばを手打ちした。そば粉に水を含ませながらよく混ぜ、生地をのし棒で薄く延ばし、切りの作業では麺が均等な太さになるよう慎重に包丁を動かした。
そばつゆも自作し、天ぷらそばにして全員で試食。麺の太さはまちまちながらも、参加者は「食べ応えがあっておいしい」「いい味している」などと満足げな表情を浮かべていた。余ったそば粉は希望する参加者に提供された。
栽培は地区内にある休耕田の有効活用の側面もある。2018年度は日形堤防沿いにある広さ約10アールの休耕田を所有者から借り受けて畑にし、長野県の品種を植栽。約18キロのそば粉が完成した。 19年度からは本県の品種を育て、栽培時期も早める。秋ごろに収穫し、市民センターまつりなどのイベントで振る舞う計画だ。
そば作りの定着化に向け、加藤さんは「若い人たちにも参加してもらえれば活動がさらに活発化するはずだ」と期待する。
小野寺会長は「今年度は思うような量が取れなかったが、来年度はそば粉の収穫量を増やしたい」とし、「日形の方々にそばを食べてもらい、この活動に賛同する人を増やしたい。地道に活動を続けて、最終的に収入につながれば地域も活性化する」と構想を語る。
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