鎮魂胸に復興誓う 東日本大震災発生から8年 久慈で合同追悼式
東日本大震災の発生から8年を迎えた11日、県内各地で追悼行事が開かれた。県と久慈市による合同追悼式は市文化会館アンバーホールで行われ、一般や来賓を含め約550人が参列し、犠牲者の鎮魂を祈るとともに復興への誓いを新たにした。
合同追悼式には遺族や一般参列者はじめ、来賓が出席。政府主催の追悼式の中継映像が会場のスクリーンに映し出され、参列者全員で震災発生時刻の午後2時46分に合わせて黙祷(もくとう)した。
達増拓也知事は式辞で「誰一人として取り残さないという理念の下、一人ひとりがお互いに支え合いながら幸福を守り育てるための取り組みを進め、『いのちを守り海と大地と共に生きるふるさと岩手・三陸の創造』を目指して復興を進める」と決意を述べた。
遠藤譲一久慈市長は「多くの支援を得ながら復旧・復興に取り組んできた。再開を果たした小袖海女センターや、もぐらんぴあには多くの人が来場している。防災対策もこれまで以上に強化し、市民の安全・安心の確保に努力していく」と述べた。
参列者は献花台に花を手向けて手を合わせ、犠牲者の冥福を祈った。自宅と会社が被災した同市長内町の無職一沢明男さん(77)は「8年が経過し、市内では復興が実感できるようになった。震災の経験を踏まえた防災対策の充実が必要だ」と話していた。
県によると、震災による県内の死者は2月28日現在5140人(関連死467人)、行方不明者1114人、負傷者210人。応急仮設住宅やみなし仮設の入居状況は1203戸、2620人に上る。
災害公営住宅の整備状況は、沿岸部が建設予定5552戸のうち5517戸が完成。内陸部は建設予定302戸で完成は66戸となっている。
momottoメモ
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