一関・平泉

独り立ちへ一層精進 東山和紙後継者 4人が研修修了【一関】

研修を終え修了証書を手にする(左から)佐々木さん、千葉さん、(右から)佐藤さん、伊藤さん。今後は紙すき職人として自立を目指す

 一関市東山町の伝統工芸「東山和紙」の紙すき職人を養成する東山和紙後継者育成支援事業で、3年にわたる研修の全日程が修了した。市内在住の4人が、町内の職人2人から紙すきに必要な知識や技術を習得。今後は紙すき職人として自立を目指す。

 東山和紙は800年以上の歴史を持ち、幕末から明治にかけて最盛期を迎えたが、現在職人は町内に2人のみ。同事業は、市が紙すき職人の養成を狙いに東山和紙振興会に委託して2016年11月に始まり、今月24日まで55回実施された。

 修了したのは佐藤知美さん(44)=東山町長坂=、伊藤萌絵さん(36)=同町田河津=、佐々木和廣さん(56)=千厩町千厩=、千葉陽子さん(47)=同=。それぞれ仕事と両立しながら同振興会の鈴木信彦会長(58)と鈴木英一さん(76)の職人2人から指導を受けた。

 最終回の同日は東山町内で修了式が行われ、鈴木会長から4人に東山和紙を使った修了証書が授与された。鈴木会長は「3年間、一人も脱落することなく修了できたのは皆さんの強い気持ちがあったから。職人としてはこれからが大変だが、後継者として活躍してほしい」と激励した。

 修了証書を受け取り、佐々木さんは「むらが出ないようにすくのはとても難しく、今年に入ってようやく身に付いた」、伊藤さんは「先生の実際の作業を撮影した動画を何度も見返しながら練習し、何とかできるようになった」と技術習得に励んだ日々を振り返った。

 佐藤さんは「楮(こうぞ)などの原料確保の問題もあるが、引き続き先生や皆さんの力をお借りしながら良質の紙をすけるように頑張りたい」、千葉さんは「夢は東山和紙を全国、世界に広めること。自立して販売までつなげられるよう、これまでの教えを一つ一つ確認しながら励んでいく」と誓った。

 講師の鈴木英一さんは、和紙の需要が現在もある程度見込まれているとした上で、「これから大変なこともあると思うが、後継者として自立できるように頑張ってもらいたい」とエールを送った。

momottoメモ

東山和紙 紙すき職人養成へ

◆求む!後継者 昭和初期に約300人、現在2人だけ(2016年7月24日付)
◆「職人」募集に14人 一関市、予想上回り選考審査へ(2016年9月22日付)

◆受講生4人 職人養成がスタート(2016年11月17日付)
◆紙すきの技継承へ 楮煮、黒皮剥ぎ 加工法習得(2017年1月1日付)

◆2017年度研修開講(2017年4月18日付)
◆紙すき職人 ただ今奮闘中
 ①作業場所、道具準備から(2017年8月16日付)
 ②力仕事、一人では大変(2017年8月17日付)
 ③農作物栽培の延長に(2017年8月18日付)
 ④考えるより体で覚える(2017年8月19日付)
◆「寒紙」一から 工程学び挑戦(2018年1月3日付)

◆紙すき2年目の春(2018年4月16日付)
◆和紙職人へ集大成 紙すき控え準備(2018年12月3日付)
◆良質目指し冬仕事 研修生が紙すき(2019年1月1日付)

地域の記事をもっと読む

一関・平泉
2019年4月25日付
一関・平泉
2019年4月25日付
一関・平泉
2019年4月25日付
一関・平泉
2019年4月25日付
一関・平泉
2019年4月25日付