須川高原温泉 再開へ始動 秋田経由で現地入り 従業員が施設点検【一関】
一関市厳美町の須川高原温泉(稲垣榮代表取締役会長)は、豪雪のため冬期休業している温泉施設の営業再開に向けて準備を進めている。27日には秋田県経由で従業員が現地を訪れ、施設内外を点検した。4月から除雪や修繕などの作業を集中的に進め、利用客を迎える体制を整えていく。
同温泉は岩手、宮城、秋田の3県にまたがる栗駒山の8合目(1126メートル)にある。江戸時代から湯治場として親しまれ、毎分6000リットルも湧出されるという強酸性のミョウバン緑ばん泉が特徴。豪雪地帯のため営業は春から秋までの半年間で、冬期は休業となる。
27日に春の営業再開に向けた現地視察が行われ、同社からは従業員4人が参加。秋田県職員や他温泉施設の従業員と雪上車に分乗し、秋田県東成瀬村のゲートから冬期閉鎖区間の国道342号を通って現地入りした。
雪は温泉施設の2階屋根に達するほど降り積もり、建物内部ではガラス窓の破損、壁のひび、屋根のゆがみなど風雪による被害が確認された。
同社では4月1日から毎日2週間、従業員が秋田県経由で現地入り。建物周辺の雪を溶かし、破損した部分を修復するなどして利用客を受け入れる環境整備を進める。
2019年度の宿泊予約は、4月2日午前10時から電話やファクス、メールで受け付ける。営業再開は例年、大型連休前となっており、今年度も除雪、交通など各方面の状況から判断する。新入社員も加えて総勢30人ほどで運営する見込み。
下川原英子フロント係長は「オープン当初は、まだ雪が残っていると思う。新緑の前に、残雪の景色を見に来てもらいたい。新しい企画も練っている」とアピールしている。予約や問い合わせは同社事務所=0191(23)9337=へ。
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