奥州・金ケ崎

本県和牛生産の柱 前沢産・安久勝晃号 県有種雄牛に選抜 歴代最高成績で【奥州】

新たに県有種雄牛に選抜された「安久勝晃」号(県提供)

 県は、県有種雄牛に奥州市前沢産の「安久勝晃」号(繁殖者・鈴木勝明さん)を新たに選抜した。検定では霜降り度合(脂肪交雑)の8・3と牛肉格付で最高級のA5率が68%で、本県で検定を受けてきた候補牛では歴代最高の成績だった。既に県内外の生産者への凍結精液の供給が始まっており、県産和牛(黒毛和種)生産拡大の柱としての役割が期待される。

 検定方法は、1頭の種牛候補牛につき産子15頭以上(去勢、雌不問)を肥育し、枝肉成績の平均から遺伝的な能力を判定する現場後代検定。これまでに検定を受けた種雄牛は81頭。県農業研究センター畜産研究所種山畜産研究室(住田町)や一般農家で分散して実施された。

 安久勝晃は2014年5月25日生まれ。血統は父が安福久、母の父が平茂勝、母方祖母の父が安平。検定は産子19頭(去勢、雌)を対象に行われた。霜降り度合とA5率のほかは、上物率(A4等以上)が100%で過去最高タイ。枝肉重量も499キロと多かった。

 18年10月に選抜された「菊勝久」号(一関市大東町産、繁殖者・伊東孝さん)とともに、先頭を切っての活躍が見込まれる。繁殖者の鈴木さん(75)は、繁殖牛が県有種雄牛に選ばれたのは初めて。「成績が良いのは聞こえてきており、牛飼い冥利(みょうり)に尽きる。現場で一層良い成果を出してくれれば」と喜んだ。

 県畜産課の菊池伸也総括課長は「安久勝晃号の子牛は肉質、枝肉重量ともに優れている。肥育農家の直接の所得に好影響をもたらし、繁殖農家にとっても子牛の価格を高めてくれる存在になる。市場も活発になるだろう」と期待している。

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