渋滞緩和へ貸自転車　あすの黒岩を築く会　展勝地さくらまつりで【北上】

　みちのく三大桜名所として知られる北上展勝地のさくらまつり開幕に合わせ、北上市黒岩のＮＰＯ法人あすの黒岩を築く会（藤本忠則理事長）は、15日からレンタサイクル事業に初めて乗り出す。市立展勝地の桜並木まで４キロほどの距離にある地域拠点を無料駐車場として開放し、住民から集めた自転車を貸し出す事業を５月６日まで行う。桜が見頃となる時期の交通渋滞が課題となる中、同法人は「少しでも渋滞緩和に貢献し、地域の魅力をアピールしたい」と意気込んでいる。

　まつりの実行委員会は２０１８年度に続き19年度も、市中心部を通る珊瑚橋の一般車両通行を期日を限定して禁止し、シャトルバスを運行するなどの渋滞対策を実施。混雑時には展勝地の北側に位置する黒岩地区でも通行車両が大幅に増加するため、まつりの渋滞緩和に向け地域内に無料駐車場を設けるのと同時に、自転車や徒歩で地域景観を眺めながら展勝地までの道のりを楽しんでもらおうというアイデアを事業化した。

　「サイクルａｎｄジョグでアプローチ大作戦」と銘打った事業は、まつり期間（15日～５月６日）に合わせて実施。展勝地から北側に約４キロの距離にある黒岩まんなか広場を駐車場（約50台分）として無料開放。地域住民から借り受けた自転車を20台を目標にくろいわ産地直売所に用意し、１日（午前９時～午後４時）当たり１台１０００円のレンタル料で貸し出す。

　広場近くにある滝を中心とした地域名所「親水公園お滝さん」をはじめ、北上川沿いに整備されている自転車道を走りながら展勝地までの景観を楽しんでもらう。途中には景観資産や昔話、伝説にまつわる立て看板が８カ所に設置されており、地域資源のアピールにもつなげたい考えだ。

　同法人の小田島光安事務局長（71）は「広場近くにある親水公園お滝さんに咲く桜や北上川などの景色、伝説の看板など地域の魅力に触れてもらいながら、桜並木を通って展勝地レストハウスまで往復10キロの距離を自転車を使って楽しんでもらいたい」と期待している。

　問い合わせは、同産直＝０１９７（６４）７５２８＝へ。