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タータンの魅力 多彩に 県立美術館企画展 英王室専用柄、ハローキティも【岩手】

タータンが取り入れられた日本の靴
きょう開幕

 盛岡市の県立美術館の企画展「タータン伝統と革新のデザイン」は、13日に開幕する。国内でも人気が高く世代を超えて愛されているタータンに焦点を当てた本格的な展覧会。約110点のタータン生地をはじめ、19世紀に活躍した風刺画家ジョン・ケイの版画や現在活躍するファッション・デザイナーの服、日本との関わりを示す160点余りの資料を通じて、タータンが持つ歴史や魅力をひもとく。5月26日まで。

 タータンは上下左右対称の格子柄の毛織物。スコットランドのハイランド地方で暮らす人々の日常着に用いられたが、18世紀にはハイランド人たちの反逆を恐れた英国政府によって着用が禁止された受難の時代もある。由緒ある氏族が身に着けるクラン・タータン、軍隊用のミリタリー・タータン、王族のロイヤル・タータンなどと着用する人の出自や所属を示すのも特徴だ。

▲格子柄のシルク生地で作られた英製のアフタヌーンドレス

 展示資料の中でも19世紀のシルク生地で作られた英製のアフタヌーンドレス、エリザベス女王の許可がなければ身に着けられない門外不出とされる王室専用の「バルモラル・タータン」は貴重。英国人デザイナーのジョイス・ヤングが今展覧会のために手掛けたタータンを取り入れたウエディングドレスやイブニングドレス、1970年代に世界中にタータンブームを巻き起こしたスコットランド出身のバンド「ベイ・シティ・ローラーズ」の特大ポスター、ハローキティの縫いぐるみまで多彩なタータンが並ぶ。

 ハイランド地方で普段着や正装として着用された「フェリイ・モー」の着付け体験、タータンを背に写真撮影ができるコーナーも設置。初日の13日は展覧会を企画した三鷹市美術ギャラリー主任学芸員富田智子さんによる展示解説、14日にはタータン研究家奥田実紀さんの講演もある。

 富田さんは「日本では『タータンチェック』というが、調べると造語で海外ではタータンでしか通じない。少しずつ自分の豆知識を広げていくような形で楽しみながら見てほしい」と話す。

 開館時間は午前9時30分~午後6時。観覧料は一般1000円、高校生・学生600円、小中学生400円。

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