一関・平泉

古民家 洗練された民宿に 川崎・千葉さん 予約制、1日1組限定【一関】

6月に本オープンする「農家体験民宿 古民家薄衣」
6月にも本オープン

 一関市川崎町薄衣字南新山にIターンして農業を営む男性が、築150年の古民家を洗練された民宿に改装し、6月にも本オープンさせる。現在はインターネット交流サイト(SNS)で情報を発信しながら、プレオープンで知人らに宿泊してもらい、試行錯誤を重ねている真っ最中。都会育ちのオーナーのセンスを生かした高級感のある古民家の宿となりそうで前評判は上々だ。

▲松が描かれた昔のままのふすまを残した客室に立つ千葉さん

 オーナーは東京都から同町に移住した千葉健司さん(36)。亡くなった祖父から相続した昔ながらの家屋の古き良き面影を残しながらも大胆に改装。1階の奥座敷2室(10畳、12畳)を客室として、千葉さんが2階に住みながら1日1組限定の予約制で営業する。

 宿は名付けて「農家体験民宿 古民家薄衣」。玄関を入って正面にいろりのある吹き抜けの板の間、土間続きにキッチンを配し、さらに奥の浴室はこだわりのひのき風呂として、シャワーや水洗洋式トイレも完備した。

 吹き抜けは祖父がふさいでいたが、「生活感を出さない」という方針から元に戻した。一方で古びた置き物を飾り付けたり、重厚な造りの欄間をついたてに再利用したりして往時をしのばせてもいる。

 これら新旧織り交ぜた洗練された改装が、SNSなどで「センスがいい」と評判に。千葉さんも、あえて他とは違う古民家の宿を意識し、改装工事の現場で浮かんだアイデアをどんどん取り入れていったという。

 客室となる奥座敷のほか、多目的に利用できる板の間もあることから宿泊客を優先しながら予約がない場合は時間貸しで幅広い用途に対応したい考えで、プロジェクターや音響の設備も整えた。

 「30歳を超えたら代々続いた家をどうするか考えるようになった。祖父も心配していたので」と千葉さん。「JR一ノ関駅などからのアクセスの良さや、宮城県気仙沼市との間という立地も民宿に向いていると考えた」と動機を話した。

 2018年4月から1年がかりで進めてきた改装工事も、外構と外壁や屋根の塗装などを残すだけとなった。草刈りなどは近隣住民の協力も得ているという。

 千葉さんは「豊かな自然に囲まれた古民家の魅力を伝えたい」と、本オープンに向けて意欲を見せている。

 宿泊は1組12人を上限に受け付ける。1泊の料金は1~4人が1人15000円、5~10人が人数を問わず1組7万円、11人が1組8万円、12人が1組9万円。

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