一関・平泉

歌題は「晴」 毛越寺 26日 曲水の宴 主客歌人に斎藤純さん【平泉】

26日に開かれる「毛越寺曲水の宴」のチラシ

 平安貴族の優雅な歌遊びを往時の姿そのままの浄土庭園で再現する「曲水(ごくすい)の宴」は、26日午後1時から平泉町の毛越寺で催される。33回目となる今回の歌題は「晴(はれ)」。歌人が詠んだ歌を披露する披講役に宮中歌会始披講会員の近衞忠大さんと久邇朝俊さん、主客歌人に盛岡市在住の作家斎藤純さんを迎え、新緑の季節を迎えた庭園を舞台にみやびな世界が繰り広げられる。

 歌人は毎年東北地方の各県持ち回りで選出。今年は本県から斎藤さんのほか外舘克裕さん(滝沢市)、稲垣貞男さん(盛岡市)、菊池哲也さん(奥州市)、鈴木八重子さん、折居路子さん(以上盛岡市)の6人が選ばれ、男性が衣冠(いかん)、狩衣(かりぎぬ)、女性は袿(うちぎ)の平安装束で参宴する。

 十二単(じゅうにひとえ)姿の歌題披露役には、JR東日本盛岡支社の恩田紗穂さん(盛岡市)が扮(ふん)する。今年の歌題について同寺の千葉慶信執事長は「新元号となる令和は、気候が温暖で天変地異のない穏やかな時代となるようにとの思いを込めて選んだ」としている。

 曲水の宴は、庭園に水を取り入れる遣水(やりみず)に盃(さかずき)を浮かべ、流れに合わせて和歌を詠む歌遊び。当日は主催僧の藤里明久貫主、歌人ら参宴者が龍頭鷁首(げきしゅ)の2そうの小舟で大泉が池を渡り、遣水のほとりに着座し開宴。歌題披露に続き、雅楽「催馬楽(さいばら)」奉奏に合わせて同寺に伝わる延年の舞「若女」が奉納され、盃を乗せた羽觴(うしょう)が遣水に流されると歌人が和歌を短冊にしたため、流れてきた盃を傾ける。

 少雨決行。天候悪化などで開催が困難な場合は本堂での歌会となる。

 同寺では、庭園の発掘調査で全長80メートルの遣水が往時の姿そのままに発見され、復元整備を機に1986年から毎年「曲水の宴」を催している。

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