奥州・金ケ崎

ICTで米作り 県立農業大学校実習 スマート農業体験【金ケ崎】

GPSを利用し、自動的に直進走行しながら苗を定植する田植え機に乗る県立農業大学校学生ら

 県立農業大学校は農産園芸学科農産経営科で2019年度から、情報通信技術(ICT)を活用した農業機械などの学習体験機会を設けていく。15日は金ケ崎町六原の同校水稲圃場(ほじょう)で、全地球測位システム(GPS)を利用して自動的に直進走行しながら田植えが可能な田植え機を同科学生が体験し、スマート農業技術の一端に触れた。

 同科1年の学生12人が参加したほか、農業機械の説明・実演に当たるみちのくクボタ(本社花巻市東宮野目)社員ら5人が来訪。同校で昨年度導入したクボタ製の直進キープ機能付き田植え機1台を用い、40アールの圃場内でひとめぼれの苗を作付けした。

 同田植え機は上部に付いたGPSを利用し、始点と終点の位置を結ぶ基準線を登録することで、その後はスイッチを押すと基準線に並行して自動的に直進走行しながら田植えを行う。未熟練者でも真っすぐに田植えができ、労働力の軽減にもつながることなどの説明を受けた後、学生らが次々と体験した。

 ハンドルを握らず自走して苗を植えていく田植え機に、乗り込んだ学生たちは興味津々。見守った学生からも「(植えた苗が)曲がってない」「すごい」などと声が上がった。

 実家の一戸町でも米作りをしている舘山龍人さん(18)は乗車後、「普通の田植え機だと真っすぐ進むのも難しいが、ほとんど真っすぐに進んでいて乗りやすかった」と語っていた。

 今回の取り組みは、革新的農業技術やグローバル化、経営の専門化に対応した力を育成する同校の「先進教育」として実施した。近年農業現場での労働者不足などが進行している中、同校ではICTの基礎およびスマート農業に関する講義・実習や事例研究の充実に力を入れており、17年度に環境制御型園芸ハウスを新設。また、田植え機、コンバインなどの農業機械導入に加え、今年度はコメの大型乾燥調製施設を8月に完成させ、スマート農業技術に対応した教育環境を整える。

 同科の伊藤信二主査講師は「最近はICT技術の開発も急速に進んでいる。新しい技術に触れて勉強してもらい、卒業後や就農時に生かしてほしい」と期待する。

地域の記事をもっと読む

奥州・金ケ崎
2024年4月27日付
奥州・金ケ崎
2024年4月27日付
奥州・金ケ崎
2024年4月27日付
奥州・金ケ崎
2024年4月26日付