一関・平泉

ロープで命手繰り寄せ 旧祭畤大橋 消防士有志ら公開訓練【一関】

ロープ技術を活用して行われた公開レスキュー訓練

 ロープにぶら下がり、人や機械が入れない高所や難所で橋梁(きょうりょう)点検、岩壁調査などを手掛けるロープアクセス専門会社「日本空糸」(伊藤徳光代表取締役)は7日、岩手・宮城内陸地震で落橋した一関市厳美町字祭畤の旧祭畤大橋で公開レスキュー訓練を実施した。橋がほぼ直角に落ちた危険な場所でロープ技術を使った人命救助を行い、万が一に備えた。

 技術を広く知ってもらうとともに、岩手・宮城内陸地震の記憶を継承しようと2017年から行っている。同日は社員や県内の消防士有志ら約20人のほか、広域捜索犬が参加した。

 訓練は、山中で20代女性2人と40代男性1人が遭難したという想定。ロープで降下した救助隊員が発見した傷病者をプラスチック製担架に乗せ、橋上から担架を引き上げ救助した。

 祭畤被災地展望の丘で見学した人たちは、実際の救助現場さながらの訓練に見入っていた。

 遠野市から訪れた菊池博子さん(61)は「自宅近くに川があり、災害にいつ遭遇するか分からない。ロープでの救助は現実ではなかなか目にすることがなく、ぴんとこなかったが、いざというときに心強い技術だ」と感心していた。

 伊藤代表取締役(32)は「雨の中の訓練ではあったが、異業種の方々が協力して命を助けることに尽力できた。災害時はもとより、行方不明者の捜索など、より日常的にロープ技術を役立てていきたい」と語っていた。

 訓練は8日も行われ、一般市民も見学できる。

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