花巻

絵本の世界 満喫 いわむらかずおさんお話会とサイン会 読み聞かせも楽しく【花巻】

作品エピソードや少年時代の思い出などを語るいわむらさん

 絵本作家いわむらかずおさん(80)のお話会とサイン会は21日、花巻市東和町の東和総合福祉センターで開かれた。同町の萬鉄五郎記念美術館で開かれている展示会に合わせた催しで、市内外からファンが多数来場。作者自身が語る「いわむらワールド」を満喫した。

 愛らしいネズミの大家族を描いた「14ひきシリーズ」や「こりすのシリーズ」などで世界中の子供たちに親しまれる存在だけに、会場は350人を超える親子連れらで満員。いわむらさんは戦中に疎開した秋田県をはじめ東北への思い、少年時代を過ごした東京都杉並区の記憶などを紹介しつつ、栃木県那珂川町にある「いわむらかずお絵本の丘美術館」での活動も交えて話した。

 冒頭、いわむらさんは自らの体験を踏まえ「食べる物がなくいつも腹をすかせていた困難な時代だったが、東北はとても懐かしい」と回想。「14ひきシリーズ」にはみんなで何かを食べている場面が必ず登場することを説明した上で「私の幼少期の気持ちが描き込まれている。ひもじいけれど、戦争が終わって家族一緒に暮らせるようになったのは、とても幸せなことでした」などと平和の尊さを伝えた。

 作品の制作エピソードに加え、カバーと表紙の絵を別にするといった遊び心、物語のモデルとなる場所は自らの足で歩いて確認するなどの信条も紹介。読み聞かせコーナーでは、ウサギと牛のやりとりが楽しい物語「ふうと はなと うし」などを披露し、優しい語り口で、子供たちを物語世界に引き込んでいた。

 終了後はサイン会が催され、どの子もニコニコ顔。家族4人で来場した金ケ崎町の倉田颯佑君(8)は「家にも絵本がいっぱいある。ウサギと牛の話が面白かった。(いわむらさんの作品で)まだ読んでいない物があるので、いつか読んでみたい」と穏やかな表情だった。

 萬鉄五郎記念美術館「いわむらかずお展」は、9月23日まで開催。開館は午前8時30分~午後5時で月曜休館。

momottoメモ

▲おはなしたいむ◆かんがえるカエルくん

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