花巻

努力継続し難関突破 新田さん(花巻農高3年)測量士合格

合格証書を手に難関突破を喜ぶ新田さん(右)と佐々木教諭

 県立花巻農業高校環境科学科3年の新田直輝さん(18)が、2019年度の測量士国家試験に合格した。本県農業系高校の生徒が合格するのは珍しく、花巻農高生の合格は平成以降初めて。同校関係者が快挙をたたえている。

 測量士は、測量業者に配置が義務付けられている国家資格。法規理解や届け出、計算、作図といった力が問われる試験は国土交通省国土地理院の管轄で実施されているが、実務経験を持つ人も多い社会人受験者まで含めても、毎年の合格率は10%前後という難しさで知られる。

 同校では同学科土木系列選択生が測量士補(測量士の計画に基づき業務を行う)の取得に挑戦しており、新田さんは2年時に合格。その延長線上で測量士への挑戦を決め、学友と共に勉強に励んだ。

 弓道部の活動と両立させるため時間の制約もあった新田さんだったが、根気強く家庭学習を継続。学校では友人同士で学ぶスタイルで実力を付けたといい「教え合いや問題の出し合いなど、一緒に励まし合って頑張ることができた」と学友に感謝する。

 指導に当たった同校環境科学科長の佐々木透教諭は「教えたことをきっちりと理解できる頭のいい生徒。測量会社で働いている人でさえ難しいのに、実務経験がない中でよく頑張ってくれた」と高く評価。新田さんは測量士の知識が生かせる技術系公務員を志望しているといい「また別の試験になるので不安はあるし(測量士の勉強と)同じくらい大変だと思う。でも、交通インフラの管理などに携わって社会貢献するのが夢」と目を輝かせる。

 国土地理院によると、今年度の測量士試験は5月に実施され、全国で3232人が受験。合格者は479人で、合格率は約14・8%だった。

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