奥州・金ケ崎

【特集】おせち、やってみよう

りんごきんとん、二色卵、菊花かぶ、にしんの昆布巻き、だてまき、紅白なます、のし鶏、いかの真砂和え

 年頭を飾る大切な行事食「おせち」。

 年末は何かと忙しく用意も大変ですが、数品でも手作りできるとうれしいですよね。

 今年もあと半月余り。できる範囲で無理せずに、おせち作り、やってみませんか。8品の作り方を教わりました。

ハレの行事食だけはいつもより手間を掛け、わが家の味でお祝いしましょう
▲渡辺貞子さん 奥州市胆沢在住、岩手県食の匠(すいとん料理)。郷土食の伝承に取り組み、91歳になる現在も自宅で料理を教えている。

 おせちの作り方を教えてくれたのは、奥州市胆沢でおふくろの味を伝え続ける渡辺貞子さん。「行事のごちそうはハレ。普段の食事はケ。今の食卓はハレもケも区別がなくなっているけれど、ハレのごちそうを楽しみに待ち続ける気持ちは失ってほしくない」と話し、ひなまつりには甘酒やひし餅、端午の節句は柏餅やちまき…と、季節ごとの行事食を大切に作り続けています。

 正月の行事食の一つがおせち料理。無病息災、五穀豊穣などの願いを込めた縁起のいい食材を使って一年の始まりを祝います。貞子さんも家族が集まる元日に向けて、毎年計画的に準備を進めるそう。最近は通販やコンビニでも購入できるようになったおせちですが、「わが家の味」はかけがえのないもの。「健康は食事から。手作りなら安心して食べられます」と貞子さん。今回は、貞子さんが30年以上作り続けているものの中から8品を紹介してもらいました。手作りならではのおいしさで新年を祝いませんか。

(材料はすべて4人分)

だてまき
▲はんぺんを使って手軽に
材料
▲弱火が基本ですが、貞子さんは特注の道具で「遠火」にします

卵3個、はんぺん1/2枚、だし汁 大さじ1、砂糖 大さじ4、みりん大さじ3、塩 小さじ1/3、サラダ油 適量

作り方

❶はんぺんを裏ごし器でつぶし、すり鉢に入れてだし汁、砂糖、みりん、塩を加えてすり、卵を加えてさらにする。

❷こんろに焼き網を置き、その上に玉子焼き器を乗せて弱火にかける。サラダ油を引き、①を流し入れる。

❸七分通り火が通ったら裏返して少し焼き、巻きす(鬼す)に取って、焼き目が付いた面を内側にして熱いうちに巻く。巻き終わりを下にして冷まし、冷めてから切り分ける。巻き始めに切り込みを入れると巻きやすい。

菊花かぶ
▲見栄えが良く箸休めにぴったり
材料

小カブ2個、塩 少々、〔A〕(砂糖 大さじ1/2・塩 小さじ1/4・酢 大さじ2)、赤唐辛子 少々

作り方
▲①で切り込みを入れるときは菜箸を置くと、切れ目を上手に入れられます

❶小カブは皮をむき、下の方を切らないように縦横に切り込みを入れ、塩水に漬けてしんなりとさせる。

❷①を水洗いし、布巾で水気を取っておく。

❸〔A〕を合わせ、②を漬ける。

❹盛り付けの際は、付け根部分に切り込みを入れ、手でちぎるようにして好みの大きさに分ける。中央を開き、赤唐辛子の輪切りを乗せる。赤唐辛子の代わりにイクラや黄菊の酢漬けでもOK。

にしんの昆布巻き
▲おせちに欠かせない“よろこんぶ” 銅鍋で煮ると色よく仕上がります
材料

身欠きにしん4本、昆布 適量、かんぴょう適量、しょうゆ(下煮用)大さじ2、だし汁3カップ、〔A〕(酒1カップ・みりん1/4カップ・砂糖大さじ3~4・塩小さじ1/3)、しょうゆ大さじ3~4

作り方

❶ニシンは米のとぎ汁に2晩浸しておく。

❷①をたわしで水洗いし、たっぷりの水でゆでこぼす。

❸②を7~8㎝くらいに切って鍋に入れ、水で軟らかくなるまで煮る。

❹③に下煮用のしょうゆを加え、下煮する。

❺④を戻した昆布で2~3巻きしてかんぴょうで結んで留める。

❻だし汁に〔A〕を合わせて⑤を弱火で煮る。途中でしょうゆを3回くらいに分けて加える。

りんごきんとん
▲本来は栗きんとんですが、リンゴに置き換えると若い世代に喜ばれます
材料

サツマイモ(皮を除いて)300g、くちなしの実1個、リンゴ1個、砂糖大さじ2、蜜(砂糖1カップ・みりん1/5カップ・水3/5カップ・塩少々)

作り方
▲くちなしは包丁の腹でつぶし、お茶パックに入れて煮出すと取り出すときに簡単

❶サツマイモは2㎝の輪切りにして厚めに皮をむき、水にさらしてあく抜きをしてからゆでる。沸騰したらくちなしを入れ、適当な色になったら取り出す。

❷別鍋に蜜の材料を合わせ、5~6分煮る。

❸別鍋にさいの目に切ったリンゴ、砂糖を入れて煮る。

❹①のサツマイモが軟らかくなったら湯を切り、サツマイモをつぶす。蜜を半量加えて混ぜ、裏ごし器で裏ごしする。

❺④を鍋に戻し、残りの蜜を加えて練りながら再び煮詰める。③のリンゴを加え、さらに5~6分火を通す。

❻冷ましてからラップに取り、茶巾絞りにする。

※砂糖の量はお好みで調整を

二色卵
▲切って和えるだけの祝い肴
材料

卵6個、砂糖 大さじ6、塩 小さじ1

作り方

❶卵をゆでて殻をむき、温かいうちに卵白と卵黄を分けて裏ごしする。

❷卵黄に砂糖大さじ4、塩小さじ1/3を、卵白には砂糖大さじ2、塩小さじ2/3を混ぜる。

❸17㎝×9㎝×4㎝の流し缶に卵白を敷き、その上に卵黄を広げて蒸し器で8分蒸す。

❹冷めてから好みの大きさに切り分ける。

紅白なます
▲干し柿で自然な甘さをプラス
材料

大根200g、ニンジン25g、干し柿1個、合わせ酢(酢 大さじ2・砂糖 大さじ1・塩 少々)

作り方

❶大根、ニンジンは4㎝の千切りにし、塩少々(分量外)を加えて置き、しんなりさせる。

❷合わせ酢を作り、水気を絞った①を漬ける。

❸干し柿を刻み、盛り付けるときに上に乗せる。

のし鶏
▲すりつぶすことでなめらかな食感に
材料

鶏ひき肉200g、ショウガ(みじん切り)小さじ1、卵1個、片栗粉大さじ1、〔A〕(砂糖 小さじ1+小さじ1・酒 小さじ1+小さじ1・しょうゆ 小さじ1+小さじ1)、〔B〕(みりん大さじ1・しょうゆ大さじ1・砂糖 小さじ2)、白ごま適量、サラダ油 適量、オーブン用シート約15×20㎝

作り方

❶すり鉢でひき肉をよくすり、1/2量を鍋に入れ、〔A〕の1回分とショウガを加えて箸5~6本を使ってパラパラに炒める。

❷すり鉢に残しておいた肉に卵を少しずつ加えてすり、〔A〕の残りの調味料と片栗粉を加えてよく混ぜてから、冷ました①を混ぜる。

❸オーブン用シートを広げ、端1㎝を残して②を長方形に延ばす。

❹フライパンに③をシートごと置いて焼く。半分火が通ったらシートを取り、サラダ油を引いて、ひっくり返して火を通す。

❺いったん肉を取り出し、フライパンに〔B〕を入れ、再び肉を入れてたれを絡ませる。

❻肉に白ごまをかけ、長方形に切り分ける。

❼⑥を末広(扇型)に切り、竹ぐしを刺す。

地域の記事をもっと読む

奥州・金ケ崎
2024年4月26日付
奥州・金ケ崎
2024年4月26日付
奥州・金ケ崎
2024年4月25日付
奥州・金ケ崎
2024年4月25日付