一関・平泉

歳末点描2019 漂う甘い香り 寒仕込み本格化【一関】

創業103年記念酒の醸造タンクを入念にかき混ぜ発酵を促す佐藤専務取締役=一関市花泉町の磐乃井酒造

 県南地方の酒蔵では年末を迎え、寒さが厳しくなる時期に新酒を仕込む「寒仕込み」が本格化している。一関市花泉町涌津の磐乃井酒造(阿部徳彦代表取締役)では11月から仕込み作業が始まり、現在は蔵人が蒸したての酒米に麹(こうじ)菌をまぶす作業や、ひんやりと薄暗い土蔵に並ぶ醸造タンクでもろみの発酵を促す作業などに追われている。

 冬場は気温が低くなることから雑菌の繁殖が抑えられ、発酵に役立つ菌だけが働く仕込みの適期。今シーズンの酒米は例年より固く溶けにくいとのことで、もろみを発酵させる作業では櫂棒(かいぼう)で入念にかき混ぜ、周囲にはほのかな甘い香りが広がっていた。

 今後は温度管理に注意しながらもろみを発酵させ、2月半ばに搾って日本酒に仕上げる。花泉産酒米を使った同社の創業103年記念酒も販売予定で、杜氏でもある佐藤竜矢専務取締役(34)は「今年は杜氏として働き始めて3年目。新しいことにも挑戦していきたい」と意欲を見せる。

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