花巻

親しまれた「りんご博士」 新渡戸記念館企画展 島善鄰の業績紹介【花巻】

リンゴの神様と慕われた島善鄰の生い立ちや業績を紹介している企画展

 リンゴの科学的栽培を確立した農学博士島善鄰(1889~1964年)に光を当てた企画展「生誕130年~りんご博士の北大学長 島善鄰」は、花巻市高松の花巻新渡戸記念館で開かれている。生い立ちや人となり、功績などを取り上げ、リンゴの研究、普及に生涯をささげた先人を顕彰している。26日まで。

 1889年、軍人だった父・時中の仕事の関係で広島に生まれた島は、98年に亡くなった父の故郷の花巻に移り、現在の同市高木で少年時代を過ごした。1908年に東北帝国大農科大(現北海道大)の予科、11年に同大農学科に入学。卒業後は大学助手となり、16年には青森県のリンゴ不作による減収救済策を講じるため、同県黒石市に赴任して2年間の調査成果を発表した。

 同大に戻ってからはさらに研究の幅を広げ、農学部長、北海道農業試験場長を兼務。1950年に学長に就任し大学の整備、拡充に努めた。辞任後は弘前大教授としてリンゴ産地の発展に貢献するなど、佐藤昌介、新渡戸稲造の名跡を継承し教育に情熱を注いだ。

 同展では、リンゴの葉や幼果を腐敗させるリンゴモニリア病の研究、国産リンゴの品種改良の礎となったゴールデンデリシャスの穂木の導入といった数々の業績をパネルで紹介。シンクイムシ被害からリンゴを守る無袋栽培の研究では、石灰のような毒性のない資材で果面を被覆する物理的防除の効果を立証した。

 写真や学生時代の日記、青森県農事試験場時代の野帳、著書のほか、「自彊不息(じきょうふそく)(自ら勉めて励むこと)」と記した書跡なども展示し、足跡や人物像に迫っている。学芸員の中島明子さんは「実直で研究に真摯(しんし)に向き合う一方、農家とも親しくするなど現場主義だったとされる。学生からも慕われた人柄を感じてもらいたい」と話している。

 開館時間は午前8時30分から午後4時30分まで。

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