一関・平泉

あすから休校 卒業式も簡略化 新型肺炎 市内小中学校【一関】

市内小中学校を4日から休校とすることを決めた校長会議

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う全国の小中学校、高校、特別支援学校への臨時休校要請を受け、一関市教委は2日、臨時の校長会議を同市山目の一関保健センターで開き、市内の小中学校について4日から休校とすることを正式に決めた。卒業式も簡略化することとし、感染拡大防止を図っていく。【3~5、13、15面に関連】

 会議には市内の小学校28校、中学校16校(一関一高附属中除く)の校長が出席。初めに、小菅正晴教育長が「世界中で流行の兆しということで、日本でも国を挙げて押さえ込もうという動きが強くなっており、私たちも同じような立場で行動しなければならない。市でも対応を開始しており、休校期間の子供たちの過ごし方、緊急の対応、連絡などについても確実な対応を確認していきたい」とあいさつ。

 学校設置者の勝部修市長が、国の要請に基づき4日から19日まで臨時休校とすることを提案し、異論がなかったことから正式に決定した。20日から4月第1週までは春休み期間となる。勝部市長は「感染をこれ以上拡大させないという状況の中で、国としての対策を講じたと捉え、やむを得ない措置と受け止める。現場を預かる校長先生には、学年末の大変多忙な時期に突然の対策を応じてもらうことは申し訳なく感じるが、休校措置を取ることにしたい」と理解を求めた。

 国は2日からの休校を要請したことに対し、4日からとした理由について市教委では、保護者が休校に対応するために準備期間が必要ということを挙げる。市教委として保護者向けに休校に関する文書を2日付で配布した。

 13日から20日までに予定されている各校の卒業式については、同様に感染拡大防止の観点から簡素化を要請。来賓は出席せずに告辞、祝辞は文書配布とし、在校生や保護者の出席については各校で判断するとした。

 6日に控える県立高校入試に向けては、3日に受験票が届く予定で、各生徒に配布する。前日の指導も可としており、登校日とするかどうかは各校に委ねる。

低学年、学校で受け入れ 部活動は休止

 一関市教委は、休校期間中の対応として、日中に1人きりとなる低学年児童を学校で受け入れるほか、部活動を休止とすることを決めた。

 学校で受け入れるのは、家庭の事情により日中1人となる小学3年生以下で、学童クラブを利用しておらず、兄や姉がいない児童が対象となる。4年生以上でも特別に支援が必要となる児童生徒は受け入れる方針。おおむね午前9時~午後2時を目安に、空き教室や図書室などで過ごしてもらう。期間は休校となる19日までで、20日以降は春休みとしての対応となる。

 部活動については休止とし、父母会やスポーツ少年団としての活動も自粛を要請する。体育館など夜間の学校施設開放も行わない。市教委では、市内の体育施設を管理する市体育協会に対しても協力要請の文書を出した。

給食費返金の方針 市教育長

 一関市議会3月定例会は2日、当初の予定にはなかった本会議を開催し、勝部修市長と市教委の小菅正晴教育長が新型コロナウイルス感染拡大に伴う対応状況を報告した。小中学校の臨時休校で学校給食の提供も休止となることを受け、小菅教育長は「給食費は返金の作業が出てくるものと考えている」と語り、納付済みの学校給食費について保護者に返金する考えを明らかにした。【2面に関連】

 会期日程によると、同日は午前10時から予算審査特別委員会のみを開催する予定だったが、開会前に開いた議会運営委員会で本会議を開催して行政報告を行うことを決定した。

 勝部市長は2月28日の対策本部設置や小中学校の臨時休校期間などを説明。「市民が自分自身のこととしてだけでなく、社会全体に与える影響に思いを寄せながら慎重に行動していただくことが、今何よりも必要ということを理解いただき、市民と共にこの難局を乗り越えていきたい」と述べた。

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