一関・平泉

過去に学び「命を守れ」中里放課後子ども教室 防災マップ、全国コンで佳作【一関】

第16回「小学生のぼうさい探検隊マップコンクール」で佳作を受賞した防災マップと、作製した中里放課後子ども教室の児童ら

 一関市の中里放課後子ども教室が作製した防災マップ「水が襲うぞ 命を守れ」が、第16回「小学生のぼうさい探検隊マップコンクール」で佳作を受賞した。古くから水害常襲地だった中里地区の歴史を踏まえ、児童が危険箇所や防災施設を見学して学習成果を地図にまとめた作品が評価された。関係者は受賞を喜び、地域住民の防災意識がさらに高まるよう願っている。

 同コンクールは、日本損害保険協会などが開催。今回は全国594団体から2541作品の応募があり、117作品が入選。中里放課後子ども教室は第14回同コンクールで5年生が作製した交通安全防災マップでぼうさい探検隊賞、6年生が手掛けた防災マップで佳作を受賞して以来の入選となった。

 防災マップ「水が襲うぞ 命を守れ」は、中里市民センターで週1回開設されている同教室で中里小学校4年生9人が作製。2019年9月から11月まで計13回の日程で座学や見学を行い、地区の特徴や過去の水害を学んだほか、一関遊水地や内水排水路、北上川と磐井川の合流地点や堤防などに出向き、水害を防ぐために長年行われてきた事業に理解を深めた。見学では、国土交通省岩手河川国道事務所一関出張所や北上川学習交流館あいぽーとの職員も協力した。

 学習成果をまとめた防災マップは、A0判の紙に地区内の危険箇所や避難所、水防関係施設、目印になる施設が児童によるイラストで描かれている。写真では児童が狐禅寺水位観測所を見学した際や、台風19号で増水した後の河川の様子が添えられている。

 防災マップは中里地区民文化祭や行政区内防災マップ発表会で披露され、児童が地域住民に対してシナリオを読み上げて説明した。千田心櫻さん(9)は「マップの色を塗ったり、現地に行ったりしてみんなで作って満足した。賞に入ったのは信じられないけどうれしい」と喜び、齋藤未央さん(10)は「今まであった災害や、災害が起きたらどうなるのかなどを聞いてびっくりした」と振り返る。

 児童の指導に携わった同センターの齊藤裕美所長代理は「防災マップの作製中に台風19号があったことで子供たちは水害を想像しやすくなり、『どこに避難しよう』『親にも言わなきゃ』などと危機感が増していた」と語る。防災マップの作製は20年度も継続したい考えで、「台風の威力は年々増している。水害をテーマにもう少し掘り下げたり広げたりし、地域の人たちを巻き込んで発信できるようにしたい」としている。

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