北上・西和賀

不屈の敗者にスポット 詩歌文学館 20年度常設展 人間味あふれる作品紹介【北上】

日本現代詩歌文学館の2020年度常設展「われ、敗れたり―敗北と失敗、あるいは挫折と復活の詩歌―」

 日本現代詩歌文学館の2020年度常設展「われ、敗れたり―敗北と失敗、あるいは挫折と復活の詩歌―」は、北上市本石町の同館で開かれている。今年は東京五輪・パラリンピックが開催される予定だが、勝者がいれば敗者がいるのが世の常。今展ではあえて後者にスポットを当て、全国の詩歌人が敗北、失敗といったテーマでつづった直筆作品やインスタレーションなどを紹介している。

 常設展では1年間にわたり、活躍中の詩歌人から寄せられた作品を公開。今回は五輪・パラリンピックが開かれることに関連し、数多い敗者側の声に耳を傾けることにした。人生の中での敗北や失敗、挫折、または復活をテーマにした詩と短歌、俳句、川柳をはじめ、エッセイやインスタレーション、写真・絵画(複製)を集めた。

 テーマがテーマなだけに、詩歌に込められた作者の視点の面白さや息遣いを感じられるだけではなく、直筆ならではの味もまた一興。人間味あふれる作品の数々が並び興味深い。起き上がり小法師(こぼし)のようなギミックのインスタレーション「立ちあがれ!ことば」のほか、楕円(だえん)の用紙に失敗談や誓いの言葉を書いて貼り付けられるコーナーもある。

 同館の高野ムツオ館長は「生きることには理不尽ながらも競争が伴い、敗者が必ず存在する。けれども敗者は不屈。次の闘いのステージに向かっていく。その力を言葉が伝える」と展示への思いを語る。

 展示は21年3月7日まで。時間は午前9時~午後5時。入場無料。12~3月は月曜休館。問い合わせは同館=0197(65)1728=へ。

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