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【新型コロナ】「いまさら」「別の支援を」 岩手県内で政府マスク配達開始

政府が配布する布製マスクをバイクの荷台に積む配達員=23日午前8時ごろ、盛岡市の盛岡中央郵便局

 新型コロナウイルスの感染拡大防止で政府が全世帯に2枚ずつ配布する布製マスクの配達が23日、本県でも始まった。人口が多く、感染リスクの高い盛岡市から配布を開始。国内で最も早かった東京都の配布から1カ月以上経過し、小売店などでマスクが出回り始めたこともあり、市民からは「いまさら必要ない」「別の支援が欲しい」との不満の声も聞かれた。

 厚生労働省によると、布製マスクは日本郵便の全住所配布システムを活用。国内では4月17日の東京都を皮切りに、一般家庭への配布が始まった。

 23日は、東北6県を含む34県で配達を開始。本県では同市の盛岡中央郵便局に2万8800セットが納入され、配達員7人が安全に配慮した上で、早朝からバイクで約1万カ所に届けた。30日までの1週間程度で、管内の約11万カ所に配達する予定。配達員の佐々木伸哲さん(36)は「新型コロナ対策の一翼を担っている自覚を持ち、一つ一つ確実に届けたい」と使命感を語った。

 一方で、市民からは困惑の声も上がった。会社員八重樫豊さん(42)は「ドラッグストアなどでマスクを見掛けるようになったので、いまさら必要ないのでは。金銭面での支援を早くしてほしい」と納得いかない様子。市内の20代女性も「もらえる物はもらうが、配布されるのが遅い。岩手は感染者も確認されていないので、ありがたみがない」と不満を漏らした。

 県内郵便局では約56万カ所への配達を見込んでいるが、現時点で厚労省から追加のマスク納入予定はなく、県内各自治体での配達時期は不透明。納入があり次第、順次配達する。 

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