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【ニュースピックアップ】求められる「心の余裕」 あおり運転厳罰化 妨害判断に難しさ

 「改正道交法」が施行され、あおり運転(妨害運転)が厳罰化された。妨害運転への罰則を創設し、最大で5年以下の懲役が科せられる。悪質な運転の抑止が期待される一方、客観的証拠がなければ妨害の見極めは困難。「何気ない行為もあおりになるのでは」など、ドライバーからは不安の声も上がっている。

 あおり運転は、2017年に東名高速道路で夫婦が死亡した事故などをきっかけに社会問題化。改正前はあおり運転行為が明確に定義されておらず、暴行罪などを適用し立件していた。本県では昨年1月上旬、東北道上り線であおり運転をしてドライバーにけがを負わせたとして、県警が自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)容疑で青森県の男を逮捕。同月下旬には、一般道で距離を詰めてクラクションを繰り返し鳴らすあおり行為をしたとして、暴行容疑で花巻市の男を逮捕している。

 県警によると、あおり運転に関する110番通報は月平均で30件ほど寄せられており、昨年は404件に上った。5月末現在の県内での摘発件数は、車間距離不保持が126件(前年同期比4件増)、進路変更禁止違反は1件(同3件減)。

 改正道交法は、6月30日に施行。妨害運転の具体的な行為として、車間距離不保持など10項目を規定。罰則は3年以下の懲役、または50万円以下の罰金とした。高速道路で相手の車を停止させる行為のほか、一般道でも物損事故の発生など著しい危険を生じさせた場合は、5年以下の懲役、または100万円以下の罰金。行政処分も重くなり、免許取り消し対象に追加された。

 厳罰化で運転マナーの向上が期待される一方、ハイビームの戻し忘れなど、意図しない行為があおりと見なされることを不安視する声もある。西和賀町の60代女性は「前方の車がゆっくりだと、無意識に車間距離を詰めてしまう。どこまでが妨害か分からないので、ささいなことでもあおり運転になってしまうのでは」と心配する。

 県警はホームページなどで改正道交法のポイントを周知し、取り締まりにも力を入れる方針だが、どこまでの行為を妨害運転と認めるかは悩みどころ。ドライバーが「クラクションをしつこく鳴らされた」「後続車がずっと付いてくる」などと主張しても、客観的な証拠がなければ判断が難しい側面もあるという。及川和彦交通指導課次長はドライブレコーダーによる状況記録などの対策を推奨するほか、「マナーを守り思いやり、譲り合いの運転をしてほしい」と呼び掛ける。

 周囲の運転に過敏になってトラブルを招いたり、無意識に他者を不快にさせるような行為をしたりしないためにも、一人ひとりが心に余裕を持って運転することがより求められる。

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