奥州・金ケ崎

受け継ぐ布文化 牛の博物館で企画展 女わざの会【奥州】

女わざの会が長年家庭から収集してきた布製品が並ぶ牛の博物館の郷土の企画展

 奥州市牛の博物館の郷土の企画展「受け継がれる技、受け継ぐ心 地域をつなぐ北国の布文化」は、同市前沢字南陣馬の同館で開かれている。前沢を拠点に活動する「女わざの会」(森田珪子代表)との共催。大量生産品が普及する以前、日々の暮らしの中で作られ大切に使われてきた布製品を通し、岩手での生活の知恵と工夫を紹介している。8月30日まで。

 同会は1981年に結成。高度経済成長期に社会が大きく変化する中、地域の母親らが暮らしを見詰め直そうと広域社会教育活動を展開している。企画展は同会の希望で実現。布製品など約200点を並べた。

 資料は同会が昔から伝わる手業を学んで再現しようと、前沢と近隣や県南地方の家庭から収集した物が中心。麻などかつての布材、一針一針縫われた家庭用品、会員らが再現製作した物を、時代順にたどる展示構成となっている。

 前沢一帯の県南地方は寒さから木綿の栽培に向かず、供給は長らく舟運で運ばれてくる古着の再利用に頼ってきたため、布製品は傷むごとに作り替えるなどして重宝してきた文化がある。展示の衣類にも、現代でいうパッチワークで複数の布を合わせて作られた物がある。継ぎ当てをして補修する「しきしつぎ」、布の保温性や丈夫さを高める刺し子など、長持ちさせるための技術も使われている。

 また古来のリメーク技術といえる裂き織りは、平泉町周辺では独特な呼び名の「かまばたおり」として伝わっている。会場にも、帯やこたつ掛けなどが衣紋掛けに下がっている。

 同会は40年近くに及んだ活動を秋に終える予定で、展示にはその締めくくりの意味もある。森田代表(87)は「多くの方々に世話になってきた感謝の気持ちを示すには展示が良い方法だった。東北地方に限らず、布製品には日本人の生活が表れる」と感慨を込めた。

 新型コロナウイルスの感染拡大による臨時休館を経て、会期を大幅に延長している。当初予定していた関連事業は7、8月に実施していく。

 原則月曜休館で、開館時間は午前9時30分~午後4時30分。問い合わせは同館=0197(56)7666=へ。

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