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今年度黒字見通し 自場発売再開など効果 県競馬組合運営協【岩手】

 県競馬組合運営協議会(会長・佐藤隆浩県農林水産部長)は22日、盛岡市内で開かれ、岩手競馬の2020年度収支見通しが1億5000万円程度の黒字となる見込みを示した。新型コロナウイルス感染対策で無観客レースが半年間継続した場合の赤字見通しから一転、自場(開催競馬場)発売の早期再開などによる収支改善効果を見込んだ。

 構成団体の県と奥州、盛岡両市、関係団体代表らが出席。4月5日~7月21日(48日間)の発売実績は、計画額を25・7%上回る204億5900万円(前年度比40・6%増)。うちインターネット発売が195億5800万円(同87・5%増)で全体の伸びを牽引(けんいん)した。

 6月14日の一部場外発売所再開以降の発売状況を踏まえた収支見通しでは、自場発売再開に伴う効果3億6000万円を中心に、他地方競馬の広域受託発売再開、日本中央競馬会(JRA)の受託発売再開(8月想定)効果などを合わせて約5億1000万円の改善効果を見込む。これにより5月時点で示した3億6200万円の収支不足を補ってなお当期利益1億5300万円の黒字が見通せると試算した。

 ただ、新型コロナの感染状況や経済動向の先行きが不透明なため、盛岡開催でのレース発走時刻の繰り下げなど他主催者と競合しない収支確保策を継続。盛岡、水沢両競馬場修繕費の予算執行保留(端末機更新など2億6000万円)、支出予算節減(光熱水費など1億1000万円)の支出抑制策も当面継続する。

 岩手競馬は、今季開幕当初から無観客を継続。地方競馬全国協会が作成した感染防止ガイドラインを踏まえ水沢競馬場(奥州市)開催の6月中旬から場外発売所を順次再開し、7月12日に盛岡競馬場(盛岡市)で観客入場を再開した。

 協議では18、19年度に相次いだ競走馬の禁止薬物問題に関し、委員の山本武司県馬主会長が「厩舎(きゅうしゃ)のわらをウッドチップに入れ替えたが、原因は分からないまま。総括する必要があるのではないか」と発言。県競馬組合の佐々木哲事務局長は「いずれかの機会に総括すべきと思うが、警察の捜査が継続中なので状況を踏まえて検討したい」と答えた。

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