奥州・金ケ崎

写真集出版に貢献 牛の博物館 アジア家畜 半世紀の記録【奥州】

自身も編集に携わった「アジアの在来家畜 写真からみえる半世紀の記録」を手にする川田さん

 在来家畜研究会は、「アジアの在来家畜 写真からみえる半世紀の記録」を出版した。長年の調査を基に、アジア各地の家畜と人々との暮らしを伝える書籍。同研究会の特別賛助会員で、写真データベースを運営・管理してきた奥州市牛の博物館も完成に大きく貢献した。

 同研究会には大学の研究者らが所属している。前身の日本在来家畜調査団時代の1961年にトカラ、奄美群島を皮切りに調査。日本の家畜の世界での位置付け、起源や伝播などを調べるため、次第にアジア各国にも出向くようになった。

 今回の書籍(246ページ)は調査開始から50年以上が経過したことを受けてまとめた。学術研究を紹介する既刊「アジアの在来家畜 家畜の起源と系統史」の姉妹編と位置付け、17カ国の調査記録から家畜の姿や人との暮らしぶりがよく分かる写真を選定し、解説も添えている。

 同館は95年の開館時やその後も同研究会から助言や資料提供などを受け、協力関係は深い。2017年からは同研究会の「アジアの在来家畜写真データベース」を同館のホームページを通じて一般公開し、活動の一翼を担ってきた。

 同館からは川田啓介館長補佐兼上席主任学芸員(49)が編集委員、データベース担当として参画。写真が見どころの今回の書籍の構成に主要な役割を果たし、国別の章のうち韓国、バングラデシュ分を執筆した。

 川田さんは「図鑑のように家畜の写真だけを横並びで紹介するのではなく、農作業のシーンなどで牛をはじめとする家畜と人の関わりが読み取れるので、文化人類学的にも貴重な本。今では見ることができない光景もあり、興味深く勉強にもなった」と作業を回顧。「DNAなど科学的な研究も進み、家畜の姿自体にはなじみがない研究者も出てきた中、大切な資料となる。一般にも面白いはず」と一読を勧めている。

 刊行は東京農大出版会(東京都)で、販売価格は5000円(税抜き)。同市前沢字南陣馬の同館=0197(56)7666=でも取り扱っている。

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