北上・西和賀

3月建築工事着手 病院食調理も想定 西和賀町総合給食センター

敷地西側から見た西和賀町総合給食センター(仮称)のパース(外観)

 西和賀町は3月、同町沢内字大野地内で町総合給食センター(仮称)の建築工事に着手する。学校給食を提供する施設の老朽化に伴い、従来の共同調理場や自校調理方式から供給箇所を1カ所に集約し、給食センター調理方式に改める。11月末の完成、試験稼働を経て2022年4月の使用開始を目指す。高齢化に対応し、将来的に病院食の調理業務などを想定した整備も進める。

 現在の学校給食は、沢内学校給食共同調理場が1984年、自校調理方式の湯田小学校が86年、同じく湯田中学校が91年に開設。いずれも整備から30年余りが経過し老朽化が進み、文部科学省が定める学校給食衛生管理基準への対応が課題となっていた。

 建設地は西和賀さわうち病院北東側、西和賀消防署東側に隣接する町有地3120平方メートル。建物は鉄骨造り平屋建て、延べ床面積874平方メートルで、敷地内には20台弱の駐車場を設ける。

 厨房施設は東側から食材を搬入し、反時計回りに荷受け室、下処理室、調理室、消毒・配送室、配送車両プールと、搬出まで給食の製造が一方向に流れるレイアウトにする。

 調理や空調、照明や給湯など必要な熱源を電気でまかなうオール電化で、大量調理を可能とする回転釜やスチームコンベクションオーブンを導入。食品の二次汚染の原因となる床からの水の跳ね上げ防止と、湿度の高まりによるカビや細菌の発生を抑止するため、可能な限り床をぬらさずに調理や洗浄作業を行うドライ運用方式とし、衛生的で安全な施設を整備する。最大調理能力は1日当たり400食。施設南側には調理室を窓越しに見渡せる来客エリアを設置し、給食施設と学校の有機的なつながりを持たせ教育施設としての効果を高める。

 総事業費は約9億円で、合併特例債と町教育施設整備基金を充てる。町教委学務課の照井哲課長は「西和賀の学校給食の現状の課題に対応でき、将来にわたり機能を発揮できる総合給食センターにしていきたい」としている。

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