一関・平泉

干し芋製造・出荷が好調 農業天国設立10周年 地域との交流促進【一関】

干し芋の加工作業に励む農業天国の利用者=2020年12月8日、一関市滝沢の事業所

 一関市の社会福祉法人平成会が運営する就労継続支援A型事業所「農業天国」は、2010年12月の開設から10周年を迎えた。農業を事業の柱にしており、冬はサツマイモを干し芋に加工する作業の繁忙期となる。新型コロナウイルスの影響で外出自粛に伴う「巣ごもり消費」の高まりからか、今冬は例年よりも多くの注文を受けており、施設利用者が業務に励んでいる。

 農業天国は、障害のある人が就労を通じて必要な知識や能力を身に付ける場として開設された。耕作放棄地を活用した事業で雇用を生み出し、地域の活性化を図っている。サツマイモを栽培して干し芋に加工する事業と、菌床シイタケを栽培する事業を行っている。

 サツマイモは同市滝沢、弥栄、狐禅寺、花泉町金沢にまたがる須川パイロット地区で栽培しており、20年は12ヘクタールで160トンを収穫した。品種は「紅はるか」と「玉豊」。干し芋に加工する作業は昨年12月に始まり、3月まで続く予定。施設利用者がサツマイモの皮を包丁で削ぎ、薄切りにするなどの作業を分担している。たい肥で育てて化学肥料は使わず、添加物も入れていない素朴な味わいが特徴だ。

 今冬は新型コロナの影響で外出を控えて家で過ごす人が増えるなど消費活動が変化したためか、例年よりも早くから業者の問い合わせを受けるなど販売は順調。贈り物にも好評で、ふるさと納税の返礼品としては九州や愛知、兵庫など全国各地から申し込みがある。

 農業天国で働いているのは、20~60代の男女27人。除草や運搬など体力が必要な仕事が多く、高齢化や体調に合わせて他事業所に移る人がいたことなどから、19年と比べると8人少ない。人数は減ったものの注文は増えたため、勤務時間を延長するなどして対応。収穫量が天候に左右されるため年によって収益が変動するという課題はあるが、季節によって作業や場所が変わることで気分転換を図れるなど、農業ならではの働き方に利点があるようだ。

 農業天国の千葉秀和管理者は「畑仕事が難しくても加工はできる人もいる。利用者が意欲を持って働けるような作業を用意していかなければ」と、一人ひとりの特性に応じて労働環境を整備する必要性を指摘。「昨年は新型コロナの影響でイベントにほとんど出られなかった。頑張っている姿を皆さんに見せたい」とも語り、利用者と地域住民との交流を進めたい考えだ。

▲農業天国が製造している干し芋の商品。販売されているほか、ふるさと納税返礼品としても好評を得ている

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