奥州・金ケ崎

伝統のくくり雛 華やか 城下町水沢のひな人形展【奥州】

奥州市武家住宅資料館で開かれている城下町水沢のひな人形展

 第27回城下町水沢のひな人形展(奥州市教委、市武家住宅資料館主催)が、同市水沢字吉小路の同館で開かれている。くくり雛(びな)を中心に商家などから寄贈された伝統的な人形を展示しており、城下町のひな祭りの雰囲気を醸し出している。

 寄贈されているひな人形は水沢地域で伝承されているくくり雛が多く、内裏雛、古今雛、花巻人形など、時代は江戸時代から昭和初期の物という。今回は菱谷治夫さんから寄贈された物が新たに展示に加わった。

 このうちくくり雛は、同地域を中心とした地方独特の呼び方で、綿を布でくるむ「くくる」に由来すると考えられている。江戸時代末期には制作技法が入ってきて明治時代には絵師砂金竹香によって各家々で作られたという。

 くくり雛は内裏雛のほか、歴史上の人物、浮世絵、歌舞伎や浄瑠璃などの役者、縁起物が題材となっており、今回の展示でも「義経千本桜」「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」などの浄瑠璃、歌舞伎ものや恵比寿、大黒、唐子などが会場を彩っている。通常は1本の串だが、2本の串に仕上げた「日本書紀」「三国志」の作品もある。

 同館では「時節柄外出が難しいと思うが、ひな祭りは厄落としの行事でもあり、来館して楽しんでもらいたい」と話している。

 開館時間は午前9時~午後4時30分。月曜休館だが、第20回くくり雛まつり(27日~3月3日)期間中の来月1日は開館する。問い合わせは同館=0197(22)5642=へ。

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