一関・平泉

1人2団体たたえる 学生賞は畠山さん 岩手日日文化賞贈呈式

第38回岩手日日文化賞贈呈式で記念撮影する(左から)森田さん、皆川実行委員長、山岸社長、及川会長、畠山さん

 岩手日日新聞社の第38回岩手日日文化賞贈呈式は26日、一関市山目のベリーノホテル一関で行われた。芸術・文化、地域振興の各分野で功績を挙げた1人と2団体に文化賞、児童生徒らを対象とした学生賞を1人に贈り、活躍をたたえた。

 式には関係者約30人が出席。山岸学代表取締役社長は受賞した個人と団体を紹介し「皆さんはそれぞれの分野で努力と研鑚(けんさん)を積まれ、郷土の発展に尽くされた模範となる存在。さらなる活躍を期待する」と式辞を述べ、賞状と盾を手渡した。

 文化賞を受賞したのは、芸術・文化部門が森田珪子さん(87)=奥州市前沢字五十人町=、一関市の一関藤沢市民劇場実行委員会(皆川洋一実行委員長)、地域振興部門が北上市の三橋漁親会(及川文幸会長)。

 森田さんは1981年に「女わざの会」を結成、代表として機械化以前の手仕事を取材し、会員と共に会誌「女わざ」を刊行。会誌の抜粋は書籍化され、本県伝統の手仕事を後世に伝える大きな役割を果たした。

 一関藤沢市民劇場実行委員会は、藤沢文化センター「縄文ホール」の積極的な活用を目指し、99年に旗揚げ。藤沢地域の住民が参加し、スタッフや演出、脚本までを手掛けた手作り舞台を実現。2002年には東京などで上演し、藤沢地域の文化を全国に発信した。

 三橋漁親会は地元の北上川を愛する仲間が集い、川や水魚と親しむ心を大切に1979年の発足から40年以上にわたり、遊覧船の運航や美化活動に取り組んできた。水難事故救助活動での功績もあり、地域で必要不可欠な会となっている。

 学生賞は、花巻市立桜台小学校6年の畠山想来さん(12)。2019年12月に徳島県で開催された第28回全国小学生バドミントン選手権大会女子シングルス5年生以下で優勝し、本県の小学生として初めて全国大会を制する快挙を遂げた。

 岩手日日文化賞は、岩手県南・宮城県北の各分野で活躍する個人・団体を対象に1983年度に創設。贈呈式は創立記念日の毎年2月26日に行っている。今回を含め文化賞と学生賞で89人、96団体が受賞した。

受賞者の声

 ■森田珪子さん 感慨無量。約40年間の活動に区切りを付けたが、これまでの経験や次代を担う若い仲間たちとつながり続けていこうと思っていた矢先に文化賞が背中を押してくれた。

 ■一関藤沢市民劇場実行委員会・皆川洋一実行委員長 藤沢町時代に縄文ホールの建設と併せて劇を立ち上げ、こけら落としが当たって東京や仙台、盛岡、横浜でも公演した。今年で第22回を迎える。皆さんにおいでいただければ幸い。

 ■三橋漁親会・及川文幸会長 栄えある受賞を契機に、会の意気を高めながら事業を展開していきたい。若者に託せるような会にならなければと考えている。地域づくりと観光推進に邁進(まいしん)したい。

 ■畠山想来さん 将来の夢はバドミントン選手として五輪に出場し、金メダルを取ること。家族や監督、応援してくれる人たちに感謝を込め、自分にできることを積み重ねていきたい。

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