北上・西和賀

貯雪庫で熟成 味わい期待 雪室そば搬入作業 西和賀産業公社

貯雪庫に玄ソバを運び込む西和賀産業公社の関係者

 西和賀町で昨秋収穫した玄ソバを、冬に積もった雪の中で夏まで保管して半年近く熟成させる「雪室そば」の搬入作業が10日、同町沢内字大野の志賀来ドーム貯雪庫で行われた。

 雪室そばは、西和賀産業公社が生産。熟成にはこれまでJAいわて花巻の低温貯蔵施設を利用してきたが、今シーズンは初めて志賀来ドームの雪冷房システムに活用されている貯雪庫で試みる。

 同公社や町雪国文化研究所によると、雪室で保管すると、室温や湿度が一定に保たれるため風味が損なわれず、本来のそばの味わいが楽しめるといい、凍らないように自らでんぷんを糖化させるため甘みも増すという。

 貯雪庫は鉄骨造り約40平方メートルの地上型で、貯雪量は約45トン。小型ロータリー除雪機で室内の半分ほどに雪を直接投入し締め固めたところに、350キロの玄ソバを運び込んだ。

 今回貯蔵した玄ソバは、7~8月まで保管し、8月の盆すぎから町内の飲食店などで提供される。同公社の藤原勝常務取締役は「雪室そばは、そばの消費の多い夏場に、新そばの風味のまま提供できる点で喜ばれている。今年はどんな風味に仕上がるかが楽しみ。皆さんも楽しみにしていてほしい」と話す。

 同公社は、転作によって栽培面積が拡大しているソバについて、豪雪地帯の気候風土を生かし、冬に積もった雪で保存した雪室そばや、厳冬期に水や風にさらした寒ざらしそばなど付加価値を高めることで消費拡大に取り組んでいる。

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