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聖火リレー出発 福島、第1走者に岩清水選手(滝沢市出身) 7月まで全国巡回 コロナ下で機運醸成

聖火リレーで走る第1走者の岩清水梓選手(中央手前)ら「なでしこジャパン」のメンバー=25日午前、福島県楢葉町のJヴィレッジ(代表撮影)

 47都道府県を巡る東京五輪の聖火リレーが25日午前、福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」(楢葉町、広野町)でスタートした。新型コロナウイルスへの懸念が消えない中、感染対策と機運醸成の両立を図り、7月23日の開会式まで4カ月の長丁場を進める異例の運営。初日は福島県の沿岸部を中心に火をつなぎ、南相馬市で行程を終えた。【8、社会面に関連

 リレーに先立ち、出発式がJヴィレッジの全天候型練習場で実施された。第1走者はサッカーの2011年女子ワールドカップで優勝した日本代表(なでしこジャパン)のメンバー16人。滝沢市出身の岩清水梓選手(日テレ)がトーチに聖火をともして出発した。式典には一般の観客を入れず、内容も昨年の計画時から簡素化された。

 初日は東日本大震災で被害の大きかった沿岸部の10市町村でリレー。いわき市では人気お笑いコンビ「南海キャンディーズ」の山崎静代さんが走り、最終走者はエアレースパイロットの室屋義秀さんが務めた。一日の終わりのセレモニーでは室屋さんが聖火皿に点火し、翌日に引き継いだ。富岡町内では火が途中で消えて走行が一時止まるハプニングがあり、予備の聖火で点火してリレーを続けた。

 リレーは福島で27日まで3日間つないだ後は沖縄県まで南に下り、北海道まで北上した後に再び南下。東京・国立競技場での開会式まで859市区町村を通る。起用されるランナーは約1万人。

 聖火は20年3月にギリシャのオリンピアで採火して日本に到着したが、リレー実施2日前の同月24日に大会の1年延期が決まり、国内でともり続けた。【時事】

本県は6月スタート ランナー288人

 本県における聖火リレーは、6月16~18日に28市町村で実施。県実行委によると、県の推薦・公募枠の75人を含む計288人が走行する予定。県実行委は安全・安心なリレーの実現に向け、県民らに密集の回避などの新型コロナウイルス対策徹底を呼び掛けている。

 リレーは16日に雫石、久慈など県央・県北地区の10市町村、17日は陸前高田など沿岸中心の8市町村、18日は一関などの県南を中心に10市町を走行。今月25日現在、県の推薦・公募枠でリレー辞退者は出ていない。県実行委は県庁にカウントダウンボードや横断幕を設置するなどして県民の機運醸成を図っているほか、組織委が示した▽沿道での密集を避ける▽応援は大声を出さず拍手などで対応▽殺菌・消毒の徹底―などの感染対策の周知に努めている。

 県内の聖火リレーについて、25日の定例会見で達増拓也知事は「聖火は人間の価値を最大限認める理念を象徴する火であり、東日本大震災からの復興と方向性が一致する。県、市町村、企業団体が力を合わせて準備してきた。人間賛歌、国際平和、人類発展のテーマをみんなで確かめ合えるような聖火リレーにしたい」と述べた。

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