一関・平泉

亡き友人から米寿祝い? 黒檀 かれんに開花 城内・若松さん方【一関】

黒檀の花の開花を喜ぶ若松さん

 一関市城内の若松和子さん(88)方で、37年前に友人から譲り受けた黒檀の花が初めて咲き、家人らを喜ばせている。若松さんにとって思い出深い木で「まさか花が咲く木だとも、寒い岩手で咲くとも思わなかった。友人は10年以上前に他界してしまったが、88歳のお祝いを頂いたようだ」と驚いている。

 黒檀は東南アジア原産のカキノキ科の常緑高木で、材は黒く光沢があるため高級家具や楽器に珍重されている。若松さん方の黒檀は1984年6月に広島県の友人の元を訪れた際、ホンサカキの苗木とともに友人から贈られたもので、当初は高さ20センチほどだったが、現在は高さ1メートル、幹は直径5センチほどに成長した。花は5ミリ程度の大きさで白く、枝先にまとまって咲き、若松さんの息子の妻が今月21日、気付いたという。

 岩手の気候では育たないのではといったんは断ったものの「東北では嫁入り道具のたんすにするために庭に桐の木を植えるというし、同じようにうまく育ったら硯箱(すずりばこ)でも作って。育てれば思い出になる」と言われ、庭に植えた。水やりや周りの草取りをし、冬を迎える前には落ち葉を集めて根元を温めるなど、亡き夫とともに大切に世話をしてきた。

 黒檀を譲り受けるきっかけになった旅行では友人の案内で安芸の宮島などを訪れ、特に広島平和記念資料館では被爆者の姿を収めた写真や光で影が焼き付いた石を見て「今の日本が平和でいられるのはこういう人たちがいたからなのだ」と強い衝撃を受けたという。その後もテレビで広島県が映るたびに当時を思い出しながら夫と語り合った。

 若松さんは「旅行の思い出もあり、花が咲いた時は喜びもひとしおだった。友人がもし生きていたら『硯箱は作れなかったけれど、良い思い出をたくさんくださってありがとうございました』と伝えたかった」と目を細めた。

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