奥州・金ケ崎

生徒主体の魅力化 金ケ崎高が特別活動創設 来月、大槌高と勉強会

金ケ崎高の魅力化のため創設した特別活動の展望を髙橋町長に語る生徒会長の佐藤さん(右)

 金ケ崎町の県立金ケ崎高校(宮学校長、生徒118人)は、生徒数減少が続く同校の魅力化のため特別活動を創設した。生徒の自発的な活動を学校側が支援して主体性や探究心を育み、生徒の希望、理想がかなう環境づくりにつなげる。第1弾として、高校の魅力化で先進的な取り組みがある県立大槌高校(大槌町)を訪ねる勉強会の準備を進めている。

 金ケ崎高の新入生は2021年度、定員80人を大きく割る40人。全校生徒数も15年度に比べ200人以上少なく、行事の縮小や予算の削減などが懸念されている。この解決のため、直近の20年度は県教委の「高校魅力化促進事業」の対象校として、課題研究のほか、ゲームを通して課題解決や地域おこしの力を育む「金ケ崎さいころクラス」などに取り組んだ。

 一方で単発の行事、イベントだけでは環境の改善や魅力化にはつながりにくいと教諭、生徒とも痛感。生徒の内発的な活動を尊重する体制をつくり、自己実現に近づける環境に変えようと特別活動を創設した。活動を通し、小中学生や住民から見ても魅力的な学校の実現を目指す。

 計画が具体化している勉強会は、生徒会が「学校環境を変えるための取り組みについて手持ちの情報が少ない」として提案。大槌町と連携して魅力化に取り組んでいる大槌高を相手先に選び、8月2日に生徒会同士で交流する予定。

 7日には、生徒会役員やさいころクラス参加者の3年生14人と教諭らが金ケ崎町役場を訪れ、活動の趣旨などを報告した。生徒会長の佐藤夢斗さんは「(高校魅力化の取り組みは)全国に目を向けると、学校の環境自体を変えた例が目立つ。大槌は校則を変えたと聞いている。どのように町と連携を取ったかなどを学びたい」と語った。

 既に町は勉強会のためスクールバスを貸し出して協力することを決め、今後も特別活動を可能な限り支援する考え。報告を受けた髙橋由一町長は「主体性を持つ生徒がこれからの社会をつくる」と期待を込めた。

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