北上・西和賀

鮮赤色リンドウ 発色メカニズム解明 岩手生工研

鮮赤色系品種のショウタイムスターレット。発色メカニズムが解明され、今後赤色リンドウの効率育成が期待される=ニュージーランド植物食品研究所提供
キサントン類効果関わる
市場開拓、所得向上期待

 北上市成田の岩手生物工学研究センター(生工研、小岩一幸理事長)などは、鮮明な赤色のリンドウが発色するメカニズムを世界で初めて解明した。今後、新品種として赤色系リンドウの効率的な育成が可能になりそう。リンドウ生産量日本一を誇る本県での開発が具体化すれば色のバリエーションが広がり、新たな市場開拓や生産者の意欲、所得向上へ大きな期待がかかる。

 リンドウは大半が青紫色で、最近は品種改良により桃色や白色などの品種も育成されているが、赤色系は珍しい。特に、鮮明な赤色はニュージーランドで育種された「ショウタイムスターレット」が日本でも品種登録されているものの、開花時期が遅いなど国内での栽培には適さず市場には出回っていない。

 同センターは、八幡平市花き研究開発センターなどと共同で2013年度から研究を始め、その後国の補助事業採択を受けて赤色系リンドウ育種のため基礎研究を重ねた。

 その結果、赤色のリンドウにはいずれの花弁にもアントシアニン(赤色色素)が蓄積していることが判明した。花弁には、抗酸化作用などさまざまな薬理効果のある「キサントン類」が存在し、その中でも特に1種類の濃色効果が高く、鮮赤色の発色に深く関わっていることを初めて実証。その生合成に関わる酵素遺伝子も発見した。研究成果は国際科学雑誌「ザ・プラント・ジャーナル」にオンライン公開された。

 これまでは2年ほど開花まで待ち、国内の栽培特性に合った形でより濃い赤に近づけるよう交配を重ねてきた。今回のメカニズム解明で、DNA解析すれば開花を待たずに苗の段階でも濃い赤になる可能性の高い個体を1、2カ月程度で特定でき、大幅な効率化が図られる。

 鮮赤色のメカニズムを解明した知見を利用し、八幡平市花き研究開発センターで品種開発を進めていく。通常の開花時期より遅めの10月ごろに鮮やかな赤色の花を咲かせる新品種のリンドウ誕生が期待される。消費者にとっても選択肢が増え、ニーズの高い盆や彼岸の仏花以外にもブライダルや自宅鑑賞用、輸出向けなど新たな市場開拓につながりそうだ。

 生工研園芸資源研究部の西原昌宏研究部長は「発色メカニズムを解明でき、今後赤色系リンドウの育種が進めばバリエーションが広がる。需要拡大と生産者の所得、意欲の向上につながれば」と話している。

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