一関・平泉

寒空の下一歩一歩 骨寺村荘園中尊寺米納め【一関】

骨寺村荘園遺跡内で収穫した新米を納めるため、中尊寺に向かう一行=一関市厳美町

 今年で15回目となる骨寺村荘園中尊寺米納め(本寺地区地域づくり推進協議会主催)は12日、一関市厳美町から平泉町にかけて行われた。寒空の下、地元住民ら67人が荘園遺跡内の水田で今年収穫された新米を中尊寺に納めた。

 米納めの行事は、かつて同寺の別当領となっていた「骨寺村」の農村景観を後世に継承するとともに、歴史的関わりがある同寺とのつながりを深めようという取り組みの一環で、先人の営みや文化的価値を全国に発信するため、2007年から毎年行われている。

 今年も春に作付けした「金色(こんじき)の風」と「ひとめぼれ」を秋に収穫。昨年と同様に新型コロナウイルスのため、一般参加者を集めた交流会は開催できなかったが、関係者によると「例年を上回る出来」という。

 同日は駒形根神社で出発式が行われ、同協議会の五十嵐正一会長は「おいしいお米が収穫できた。新型コロナで参加者を限定しながらの米納めになるが、無事に納めるために皆さんのご協力をお願いしたい」と参加者に呼び掛けた。

 石川隆明副市長は「本寺地区の皆さんに景観の保持、各種研究、調査の活動にご理解、ご協力を頂いていることに感謝している。この行事が世界遺産平泉への追加登録を目指すわれわれの心意気として全世界に届くようにしたい」と述べた。

 一行は白装束や法被、けらなどの衣装で骨寺村荘園遺跡内を流れる本寺川沿いを進行。慈恵大師拝殿で道中安全祈願の祈祷(きとう)を済ませ、金色の風を詰めた3俵(1俵当たり10キロ)と、袋入りのひとめぼれ5キロを無事運び届けた。

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