花巻

伝承の演舞親しむ 早池峰大償神楽鑑賞 新堀小で出前授業【花巻】

大償神楽の「鞍馬」を鑑賞する新堀小の児童ら

 花巻市石鳥谷町の市立新堀小学校(菅原秀文校長、児童78人)で17日、同市大迫町内川目に伝わる国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産で、国重要無形民俗文化財の早池峰大償神楽を鑑賞する出前授業が行われた。全校児童と教職員、保護者らが世代を超えて受け継がれてきた芸能に親しんだ。

 大償神楽保存会の会員が牛若丸の舞「鞍馬」や神楽の最後に舞われるあらゆる災いを退散、調伏させ、人々の安泰を祈る「権現舞」の2演目を上演。同保存会の阿部照雄会長が数百年の歴史がある神楽の由来、演目の種類などを紹介し、「それぞれの地域に伝わるいろいろな舞の形がある。自分の地域の舞を大事にしてほしい」と呼び掛けた。

 同校では千刈田神楽保存会の協力で、特設神楽クラブの活動や運動会で発表する全校神楽の活動を通じて神楽の伝承に取り組んでいることから神楽への関心は高く、児童は「舞の中で一番気を付けていることは」「練習で大変なことは」「道具の取り扱いで気を付けていることは」などと次々に質問した。

 6年の佐々木将汰君(11)は「僕たちの神楽よりも太鼓のスピード感や舞の大きさが違った」と関心した様子。1年生で千刈田神楽を始め、神楽クラブ部長を務める6年佐々木來花さん(12)は「太鼓の音が全身に響いて鳥肌が立ち、舞に力強さを感じた。後輩たちにも自分たちの神楽を続けてほしい」と話した。

 出前授業は市教委の事業を活用。民俗芸能に対する理解と親近感を育むとともに、将来の担い手育成につなげようと行われた。

地域の記事をもっと読む

花巻
2024年5月6日付
花巻
2024年5月6日付
花巻
2024年5月6日付
花巻
2024年5月6日付