農業用施設維持管理へ 3団体とアドプト協定 市、豊沢川土改区【花巻】
花巻市内の農業用施設「新田堰頭首工」「東宮野目用排水路」「五内川排水路」の維持管理活動について、それぞれの地域住民団体などと市、豊沢川土地改良区は17日、アドプト(養子縁組)制度に基づく協定を締結した。草刈り作業などの活動を通じて地域づくりへの新たな展開を目指す。
アドプト制度は、農業用施設の一部を「養子」に、地域や企業などを「里親」に見立て、養子となった施設を従来管理している同土改区や市に代わって保守管理する制度。
同市湯口字志戸平地内の豊沢川から農業用水を取水する新田堰頭首工は有電社岩手支店(絹川貴宏支店長)、同市東宮野目地内の東宮野目用排水路は巾下自治会(牛崎清巳会長)、同市上似内地区の五内川排水路は上似内振興会(小田島範雄会長)が里親となり、草刈り作業などを行うほか、巾下自治会と上似内振興会は草刈りに加え、水路を防火用水としても利用する。
市内のホテルで行われた協定調印式で、上田東一市長は「協定を機に花巻の農業がますます発展し、環境美化、防火に備えた水路管理ができる」と期待。同土改区の久保田泰輝理事長は「組合員の活動だけでは施設の維持管理は難しく、3方の協力で協定を締結できることはうれしい」と感謝した。
協定書に調印した絹川支店長は「コロナ禍で人と人とがつながりにくい世の中だが、この活動は人との接点が持てる取り組み。ますます発展させ地域活性化の一助になれば」と述べた。牛崎会長は「排水路を防火施設として利用する活動を推進し、地域社会の持続的な発展に貢献したい」、小田島会長は「協定により水路を広く周知し、地域の防災意識の向上や防災力の向上につなげたい」と抱負を語った。
同改良区管内のアドプト協定は、今回の3団体との締結で25施設、23団体となった。