一関・平泉

思い出振り返り 文鎮磨く 製鉄体験締めくくる 大原小6年生 卒業記念品【一関】

自分たちが採取した鉄で作った卒業記念の文鎮を手に笑顔を見せる児童

 古くから地域に伝わる製鉄文化の学習に取り組む一関市大東町の大原小学校(菊池正人校長、児童97人)の6年生は4日、たたら製鉄体験で採取した鉄で作った文鎮の仕上げ作業を行った。1年間の学習を締めくくる活動で、卒業記念品となる文鎮を一生懸命に磨き、鉄作りを胸に刻んだ。

 鉄作りの学習はたたら製鉄などの伝承に取り組む地元のボランティア団体「ホッパの会」の指導で旧内野小学校時代の1999年から続けており、2021年度で23回目。同会の会員や中高生がたたら製鉄に使う炉作りなどを行い、6年生は昨年8月に大原の砂鉄川で鉄の原料にする砂鉄を採取。9月には砂鉄川最上流部にある砂鉄川たたら製鉄学習館でメインのたたら製鉄を体験し、二つの炉から18キロの鉄を取り出した。

 採取した鉄は奥州市水沢の及源鋳造の協力を得て炉で溶かし、鋳型に流し込み縦約6・5センチ、横約5センチの文鎮を人数分成形した。

 同日は総合的な学習の時間を使って6年生17人が一人ひとり布やすりを使い、「大原」「絆」の文字と同校の校章、卒業式がある「2022・3・18」の文字が入った文鎮を磨いた。

 及川美涼さんは「炉から取り出した時はただの鉄の塊だったけど成形されて文字が入った文鎮を手にすると6年生の学習の集大成のように感じた」と感想。佐藤晴琉さんは「炉に砂鉄を入れたりする時は熱くて鉄を作るのは大変だと感じた。自分たちが採った鉄でこんなにきれいな物を作ることができうれしい」と仕上げた文鎮を眺めていた。

 指導に当たった同会事務局長の勝部欣一さん(76)は写真や映像を映しながら1年の活動を振り返り「鍛錬や錬磨という言葉も鉄作りと関わっている。皆さんも自分を磨いて立派な大人になってください」と卒業を間近に控えた6年生にはなむけの言葉を贈った。

 同日は大東図書館の岩渕敏郎館長も同校を訪れ、カメラで作業の様子を撮影した。同館は25日からたたら製鉄の1年の活動を写真や映像で紹介する特別企画展の開催を予定している。

momottoメモ

▲地元の川から砂鉄採取(2021年8月21日付)
▲燃え盛る炎と格闘 たたら製鉄体験(2021年9月11日付)

 

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