奥州・金ケ崎

思い出抱き歴史に幕 江刺東、江刺南中閉校式【奥州】

校歌を黙唱する江刺南中の生徒
倉成市長(中央)に校旗を返納する江刺東中の関川校長(左)

 奥州市江刺地域内3中学校の統合により2021年度末で閉校する江刺東、江刺南両中学校の閉校式は19日、それぞれの学校を会場に行われた。旧江刺市時代の1978年に創立され、これまでに数多くの人材を輩出してきた両校。式には、市の関係者や教職員、全校生徒らが出席し、築き上げてきた歴史や伝統を引き継ぎながら新たな一歩を踏み出そうと誓った。

 旧江刺市の市立小・中学校設置条例の施行を受け、玉里、梁川、米里、木細工、広瀬の5中学校が統合して江刺東が、藤里、伊手の2中学校を統合して江刺南が創立。今年度卒業生を含めて江刺東は3952人、江刺南は2710人の地域の人材を輩出してきた。

 両校の式では、市教委を代表して髙橋勝教育長が関係者への感謝と両校の歴史を引き継ぐ誓いを込めて閉校の告示、同日から任期が始まった倉成淳市長が両校の歴史と伝統が未来へと引き継がれることへの期待を込めてあいさつしたほか、学校側から倉成市長に校旗が返納された。

 このうち、午前中に行われた江刺東の式で、関川寛司校長は「多くの人たちによって育まれた生徒たちの地域愛は大切な宝物。学校を支えてくれた全ての皆さんに感謝する」とあいさつ。44代生徒会長の千田悠陸さん(3年)は、お別れの言葉で「きょうで学校から元気な声は聞かれなくなるが、歴史は残る。共に過ごしてきた日々は忘れない」と力強く語った。

 一方、午後からの江刺南の式で千葉賢一校長は「本校生徒の誠実で粘り強く努力する姿、礼儀正しい爽やかな姿は、先輩たちが築き上げた校風、地域の厚い支援のたまもの。これからも不滅の力として脈々と受け継がれるだろう」とあいさつ。前生徒会長の伊藤望来さん(3年)は「閉校は悲しく寂しいが、形はなくなっても思い出は心の中に存在し続ける。最後の南中生となれたことを誇りに思う」とお別れの言葉を述べた。

 新型コロナウイルス感染拡大を予防し、国歌、校歌は音源による演奏を聞いて出席者それぞれが心の中で歌う「黙唱」の形式が取られた。

 江刺東、江刺南の両校は江刺一に統合される。

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