花巻

SL銀河 笑顔乗せ出発 今年度運行開始 停車駅で出迎え【花巻】

SL銀河と記念撮影する家族連れ=JR花巻駅

 蒸気機関車「SL銀河」の2022年度運行が9日、始まった。今年度は、初冬まで土日を中心にJR釜石線の花巻―釜石間を走行する。初日は沿線停車駅でJRや観光関係者、鉄道ファンらがSLを出迎え、今シーズンの運行開始を祝った。

 始発駅の花巻駅1番ホームには午前10時7分、花巻市東和町の春日流落合鹿踊(ししおどり)保存会のメンバーが勇壮な舞を披露する中、SLが入線。駅や市の観光関係者、公認地域キャラクター「フラワーロールちゃん」らが横断幕などを手に歓迎。駅員による宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」の朗読が運行開始に花を添えた。

 10時36分、木村光一駅長が右手を高く掲げて出発を告げると、SLが汽笛を鳴らし黒煙を吹き上げて力強く走り出し、関係者や鉄道ファン、家族連れらが手を振って見送った。

 一度は乗りたいと妻と長男、長女と家族4人で訪れた仙台市の団体職員熊谷好剛さん(35)は「1カ月前から楽しみにしていた。コロナ禍で外出の機会が限られていたので家族で楽しみたい」と語った。花巻市に引っ越してきたばかりの森川宗駿ちゃん(3)は母親と弟と訪れ「黒くてかっこいい。乗ってみたい」と目を輝かせた。

 定員176席の客車は初日、ほぼ満席の状態。JR東日本盛岡支社営業部観光推進室の小坂一将室長は「客車の老朽化で運行は来年春で終了するが、楽しんでいただけるよう地域の皆さんと共に今年一年を盛り上げていきたい」と語った。

 SL銀河は1972年まで山田線や釜石線、大船渡線を中心に運行していたC58型の機関車を復元し、震災復興や観光振興を目的に2014年4月に運行を開始。急勾配のある釜石線を運転できるようエンジン付きに改造された旅客車と協調運転を行ってきたが、部品調達が難しいなど老朽化を理由に来春での運行終了が決まっている。

 運行開始以来、21年度までに約400本を運行、約5万8000人が乗車。今年度上期(4~9月)は土日を中心に52本を運行し、下期(10月以降)は初冬までの運行を予定している。

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