花巻

賢治の歩み疑似体験 大迫で探訪会 地質・土性調査ルート【花巻】

林道脇の泥質片岩の露頭を観察する参加者

 宮沢賢治が地質・土性調査で歩いた道を探索する「賢治ルート権現堂山~八幡館を訪ねる」は4日、花巻市大迫町内で開かれた。市民ら約20人が山を歩き、賢治が「蛇紋岩」を採取したと思われる場所などを訪ね、その仕事に関心を寄せた。

 同市大迫町亀ケ森の歴史や文化を研究する団体・亀林会が主催。市をはじめ、賢治研究や環境保全など関係団体の協力を得て、前年度に続き企画した。

 地質・土性調査を行ったのは1918(大正7)年5月19日、賢治が22歳の頃。渡し舟で北上川を渡り、八重畑村役場(同市石鳥谷町)で案内人を得て権現堂山から亀ケ森八幡館へ至るルートを歩いたことをつづった父政次郎宛てのはがきが残されている。

 また、盛岡市の岩手大農学部農業教育資料館には、賢治が亀ケ森や早池峰周辺で採取した岩石として蛇紋岩をはじめ、はんれい岩、かんらん岩などが紹介されている。

 参加者は権現堂山の麓にある大沢山を出発し、林道を経て大正時代の地形図にも記載されている道を探索。地質に詳しい盛岡市の對島博さん(62)らの案内で蛇紋岩をはじめ、石灰岩、泥質片岩の地層が露出している部分を見つけ、ハンマーでたたくなどして岩石名を推察した。

 亀林会事務局の平野守見さんは「賢治が歩いた所を疑似体験することで、亀ケ森と賢治との関係を身近に感じてほしいと企画した。地域おこしや地域にある資源に興味を持つきっかけになればうれしい」と話していた。

 同日は2部構成で、賢治の詩「霰(あられ)」に出てくる場面や場所を考察し、亀ケ森との関連性を探った。

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