一関・平泉

一関にクラフトビール新ブランド誕生 「ノイモンドブルーイング」 和酒Diningもんど

出来上がったビールを手にする佐藤店長(左)と菅原醸造長
工場併設店舗、缶での販売も見込む

 一関市に、クラフトビールの新ブランドが誕生した。その名も「NOYMOND BREWING(ノイモンドブルーイング)」。同市大手町の居酒屋・和酒Diningもんど(佐藤哲店長)が新事業として設立し、店舗1階にビール工場を併設して醸造。ビールは店内で提供されているほか、今後は缶ビールとしての販売も見込んでおり、一関の新たな魅力となりそうだ。

 同市は「全国地ビールフェスティバルin一関」が毎年夏に開催され、クラフトビールのまちとして全国的に名高い。その中で、ビール工場を併設した店舗を「飲食店の究極形」と考えていた佐藤店長が、新型コロナウイルスの影響で打撃を受ける中、「いつかやってみたいから、今やらないといけないと思った」と決意し、2021年2月ごろからブランド設立に向け本格的に動きだした。

 市内の老舗ブランド「いわて蔵ビール」を展開する世嬉の一酒造の佐藤航代表取締役社長に相談し、クラフトビール好きの常連客だった菅原裕さんが醸造長となって世嬉の一でビール造りを学んだ。一方で醸造所の工事を進め、今年6月には酒造に向けた発泡酒製造免許を取得。7月に世嬉の一からアドバイスを受けながら初めて仕込んだところ「思った以上においしくできた」(佐藤店長)。

 一関夏まつりに合わせて8月5日に先行的にお披露目した。モルト感が強めのペールエール「FIRST BOOT」のほか、トロピカルフルーツのような香りの「ウェブラウザー」、シトラス系の香りの「セレクトオール」の二つのヘイジーIPAの計3種類を用意し、1杯660円で提供。今後はホップをふんだんに使った商品に力を入れるといい、菅原醸造長は「試行錯誤しながらいろいろなスタイルをつくっていく」と、新商品開発を精力的に進めていく方針だ。

 ブランド名のノイモンドは「新月」の意味で、「月のない夜空にビールの月を浮かべてほしい」という願いを込め名付けたという。

 新ブランド設立について、世嬉の一の佐藤社長は「ビールがおいしくできて良かった。クラフトビールは近くに集積していた方が、全国から訪れるファンにとっては回りやすくなる」と歓迎する。

 佐藤店長は「何でも相談でき、力になってくれる心強い存在」と世嬉の一への感謝を忘れない。現在は店内で出来立てのビールが飲めるようにタップコーナーの設置など改装工事が進んでおり「ただビールを造る場所ではなく、一関の皆さんに愛され、観光面でも貢献できるようにしたい」と語っている。

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