一関・平泉

骨寺荘園 実りの秋 140人が稲刈り作業に汗 厳美【一関】

刈り取った稲を束にする参加者

 第18回骨寺村荘園稲刈り体験交流会(本寺地区地域づくり推進協議会主催)は2日、一関市厳美町の骨寺村荘園遺跡で開かれた。好天の下、市内外から参加した約140人が、中尊寺(平泉町)に納める荘園米の収穫作業に汗を流した。

 同遺跡がある本寺地区は、中世の農村景観を残しているという特徴があり、国の史跡・重要文化的景観に選定されている。荘園はかつての中尊寺経蔵別当領だったとして世界遺産「平泉の文化遺産」への拡張登録に向けた取り組みが続けられている。

 開会行事で同協議会の五十嵐正一会長は、世界遺産拡張登録に向けた動きにも触れながら「たくさんの皆さんに参加いただいたことをうれしく思う。中世から1000年近く続くといわれる小区画水田の保全活用に加え、地域内外の交流促進を目的に開催している。先人の皆さんの思いが詰まった水田であり、そういった思いを共有しながら稲刈りを楽しんでもらいたい」とあいさつした。

 同日は、今年5月遠西遺跡周辺と不動窟前の水田26アールに苗を手植えした「金色(こんじき)の風」「ひとめぼれ」を収穫。地域外からも約70人が訪れ、地元住民らと協力し合いながら、一株一株を丁寧に刈り取り、束ねてホニオに掛けた。

 厳美小学校4年の伊藤葵さん(10)は「きょうは暑くて大変だったが、皆さんと一緒に頑張ってやった」と話していた。

 収穫したコメは、乾燥や脱穀などの工程を経て俵と袋に詰め、12月中旬に地元住民の手で中尊寺に納められる。

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