トレーラーホテル開業　来月１日宿泊開始　災害時、応急施設にも　北上

　建設資材メーカーでトレーラーハウス設計、製造販売などを手掛けるヒーローライフカンパニー（本社東京都港区、日崎哲仁代表取締役社長）は、北上市村崎野にトレーラーを活用したホテル「トレイルイン北上」を開業した。１２月１日に一般客の宿泊を開始。企業が集積する北上で旺盛（おうせい）なビジネス客のニーズに応えつつ、災害時には動かして避難場所として活用できる。

　同社は２０２１年３月、栃木県那須塩原市を皮切りに、北関東を中心にトレーラーハウスを開業。半導体大手・キオクシア岩手、関連企業立地でビジネス客らの宿泊ニーズが高まっている北上進出を決めた。全体では６カ所目となる。

　ホテルは、キオクシア岩手など企業が集積する北上工業団地付近。敷地面積１８００平方メートルの土地を借用し、幅約６メートルのコンテナサイズのトレーラーが立ち並ぶ。車両は投資家が所有し、ヒーローライフカンパニーが客室を管理する。

　シングル１９部屋、拡張タイプのツイン（ダブル）１０部屋。１部屋１３～１５・６平方メートルで、建設作業員ら長期宿泊のニーズに対応し全室に洗濯機、キッチンなどを用意。ビジネス客のほか家族、観光客など幅広く利用できる。宿泊料は早期予約、長期滞在時は安くなるが、ニーズに応じ変動する。

　現地で２２日にオープニングセレモニーが行われ、関係者約２０人が出席。日崎社長は「必要な場所に動かせる持続可能なホテルで、広く使っていただけるよう設計した。災害時には応急施設として使える。皆さん方に利用され、愛される施設にしていきたい」とあいさつ。地権者でトレーラー所有者の髙橋靜雄さん（パークシーエム代表取締役会長）も「多くの企業が集積しキオクシアの２棟目建設が真っただ中でホテル確保が難しい中、朗報だ」と歓迎。日崎社長、髙橋さんらがテープカットした。

　日崎社長は報道陣の取材に、自身がかつて県内の建設会社に勤務した経験から「少しでも恩返ししたかった。北上を拠点に、チャンスがあればぜひ２、３棟目も考えていきたい」と語った。２３日は午前１０時～午後４時に内覧会を開く。

　管理人は置かず、セルフチェックイン方式。大手旅行サイトなどから予約する。問い合わせ先はヒーローライフカンパニー＝０３（５４７３）０５３９＝。