一関・平泉

お地蔵様へ感謝込め 新年前に着せ替え 花泉【一関】

昔話と同様に5体の頭に編みがさ、残る1体に手拭いをかぶせ、新年を迎える準備が整えられたかさこじぞう

 昔話「かさこじぞう」発祥の地の一つとされる一関市花泉町花泉で27日、住民有志が1年間地域を見守り続けた6体の地蔵へ感謝の気持ちを込めて汚れをきれいに払い、新しい編みがさや衣服に着せ替えた。

 毎年8月の地蔵盆と年末の2回行われている取り組みで、例年認定こども園花泉保育園の園児も参加しているが、今回は新型コロナウイルス感染拡大の影響から地域住民のみで実施。4カ月間風雨にさらされ傷みが目立っていた編みがさや前掛け、ちゃんちゃんこを取り外して地蔵の表面にたまった汚れをきれいに取り除いた。

 真っ赤な新しい衣装は、周辺にある三つの集落が交替で作っているもので、最後は昔話と同じく5体の頭に編みがさ、残る1体には手拭いをそれぞれかぶせて完成。参加した女性は「来年こそはコロナが終息し、お地蔵さんに地域の子供たちを見守ってほしい」と静かに手を合わせていた。

 かさこじぞうの像は、昔話を後世に伝えていこうと1983年に花泉ロータリークラブが建立。編みがさについては農閑期の貴重な収入源として地域で作られてきた経緯もあり、93年から地元住民有志が技術の伝承活動を兼ねた取り組みとして製作を続けている。

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