奥州・金ケ崎

最終舞台成功へ結束 キャスト演技に磨き 28、29日「水戸黄門」 市民☆文士劇【奥州】

最後の公演に向け稽古に励む奥州市民☆文士劇のキャストら

 15年間続いた公演が最後となる奥州市民☆文士劇(江刺体育文化会館ささらホールなど主催、岩手日日新聞社など後援)は、稽古が佳境を迎えている。演目は第1回と同じ水戸黄門が題材の「水戸黄門 涙のあとには虹が出る。明日に向かって、さあ歩け!」。28、29の両日、同市江刺大通りの同ホールでの本番に向け、集大成の舞台をつくろうとキャスト、スタッフが力を合わせている。

 同文士劇は、地域の元気と市民のパワーを発信しようと年1回行ってきた。県内のゲスト文士参加や娯楽性の強い内容、音楽の生演奏などの特色がある。

 主催者のうち実行委は、同ホールを指定管理するNPO法人いわてルネッサンス・アカデミア(高野誠司理事長)が中核となっているが、職員が高齢化したため2022年度末で指定管理を更新しないことを決定。同文士劇の拠点が大きく変化するため、活動を一区切りすることになった。

 今回の脚本は道又力さんが手掛けた。黄門さまが世直しを始めるきっかけとなった最初の旅を創作した。庶民の暮らしをよく知らなかった黄門さまだが、持ち前の素直さと優しさで本当の正義に目覚めていく―という粗筋。スタッフを含め総勢約130人体制で臨む。

 22年末には大道具が完成し、本番に近い舞台での練習がスタート。経験者を中心に集まったメンバーは、演出の吉田利成さんの指導を受け演技に磨きを掛けている。

 キャストで第1回から参加してきた佐藤とみ子さん(74)=同市江刺男石=は「老いも若きもみんなでつくる舞台に参加できて幸せだった。文士劇がモットーにしてきた元気の発信は浸透したと思う。いつものように見に来てくれた人に『元気が出たよ』と言ってもらえるお芝居にしたい」と思いを語った。

 稽古にはゲスト文士も続々合流。大物役で出演する倉成淳市長は「皆さんが頑張っている雰囲気を壊したくない責任感でいっぱい。役らしく振る舞えるよう、せりふをしっかり覚えていきたい」と意気込んでいた。

 公演は3回で、28日は午後3時、29日は午前10時30分、午後3時に開演。前売り入場料は1500円(当日は500円増し)。問い合わせは同ホール=0197(31)1607=へ。

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