奥州・金ケ崎

伝統芸能 魅力発信へ 京都・清水寺で17日奉納 岩谷堂高鹿踊部卒業生有志【奥州】

清水寺での奉納演舞に向けて練習する岩谷堂高鹿踊部の卒業生有志
練習重ね演舞に磨き

 奥州市江刺の県立岩谷堂高校鹿踊(ししおどり)部の卒業生有志は、17日に同市とゆかりのある清水寺(京都市)で江刺の鹿踊継承団体として初めて演舞を奉納する。蝦夷(えみし)を率いたアテルイら郷土の先人も弔いながら、伝統芸能の魅力を発信する。奉納に向けてメンバーが集まり重ねてきた練習は大詰めに入った。

 清水寺の初期の発展には、平安時代に東北地方に派遣された征夷大将軍坂上田村麻呂が関わった。この縁で境内には、田村麻呂と戦いながらもつながりを深めたというアテルイとモレの慰霊碑が建立されている。

 奉納の舞い手は10~40代の卒業生8人。当日は慰霊碑に「褒め唄」をささげ、あいさつで関係者に鹿踊について紹介した上で、西門で「礼庭」を披露する。関西県人会、関西アテルイモレの会も参列する予定。

 メンバーは2022年から地元をはじめとする個人や企業の協賛を募った。練習は今年1月から日曜を中心に取り組み、5回目の5日は奥州市内の江刺中央体育館に集まった。

 同日は卒業後、鹿踊から離れていたメンバーを中心に装束をまとい、動きを確認した。

 大学生の菅野舞香さん(19)=同市江刺米里字人首町=は「久々なので体力の心配はあるが、踊れる楽しさもある。現役同様にとはいかなくても、見せられる踊りにはできそう。どんなに素晴らしい踊りも継承者がいないと廃れていく。演舞を多くの人が郷土芸能の何かに携われるようなきっかけにしたい」と思いを語った。

 同じく大学生の飯森はるかさん(20)=同市江刺岩谷堂字歌読=は「地元を離れていることもあり、踊る機会は少ない。鹿踊は郷土芸能の中でも過酷だが、格好よく見せることで岩手に伝わっているものを広めたい」と話していた。

 練習は12日が最後で、京都には16日に出発する。

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