奥州・金ケ崎

冬夜彩る庭田植 早乙女が風習再現 恒例行事3年ぶり 胆沢・全日本農はだて【奥州】

全日本農はだてのつどいで庭田植を再現し、苗を受け取る早乙女

 第34回全日本農はだてのつどい(いさわのまつり実行委員会)は11日、奥州市の胆沢野球場北側駐車場特設会場で開かれた。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、大幅に縮小した実施が続いてきたが、今年はほぼ例年と同じ形で実施。3年ぶりとなる庭田植行事の再現をはじめ、にぎやかに「ワラと火のまつり」を繰り広げた。

 「農はだて」は、かつて新年の農作業を始める日で、モドツという縄をなったり、わらを苗に見立てた庭田植をしたりして豊作を願う風習があった。つどいは胆江地方にもあったこのような農耕文化の再生や、地域の活性化などを目的に毎年開催している。2021、22年は新型コロナ対策で豊作・農作業安全祈願と厄年連旗引き継ぎ式など、行事を絞って実施していた。

 今年は胆沢地域の小学生による縄ないチャンピオン決定戦を皮切りに、各種行事を実施。大俵の傷みが激しいため、呼び物だった「福俵引き」は行われないなど通常時からの変更もあったが、豊作・農作業安全祈願や厄年連によるつがい踊りの披露、福餅つきなどが繰り広げられた。

 このうち庭田植は、初めて愛宕田植の会が担当。特設ステージで早乙女ら10人が昔ながらの手植えを再現した。同会の佐々木きみ子会長(68)=同市胆沢若柳=は「初めてのことで大変だったが、みんなで頑張った。胆沢で唯一といってもいい冬のイベントがまたできるようになり、多くの人が来てくれて良かった」と話していた。

 また、これまでの大臼が破損して使用できなくなった福餅つきでは、コロナ対策のため餅の振る舞いを中止。会場でついた餅でみずき団子を作って会場に飾り付け、豊年への願いを示した。

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