奥州・金ケ崎

地元の民話熱演 胆沢劇場・「つぶっこ太郎伝」 3年ぶり舞台、観衆魅了【奥州】

第37回奥州胆沢劇場「つぶっこ太郎伝」の一場面

 第37回奥州胆沢劇場(実行委主催、岩手日日新聞社など後援)は26日、奥州市の胆沢文化創造センターで開かれた。地元の民話を題材にした過去公演のリメーク作「つぶっこ太郎伝」を上演。新型コロナウイルスの感染拡大による延期が続いていたため3年ぶりの公演で、待ちに待った観衆が手作りの舞台を楽しんだ。

 同劇場は旧胆沢町の誕生30周年を記念して始まった。第37回は2021年の予定だったがコロナ禍で延期となり、演目が決まった後も感染拡大の波を受け、実施は再度見送られた。

 2回公演の1回目には約400人が来場。地元が中心の小学生から70代までのキャスト、スタッフ約80人で繰り広げた。

 コロナ禍での再出発を胆沢らしい物語で仕切り直そうと、06年公演の「つぶっこ太郎」を新たに演出した。

 昔々、炭焼きで暮らしていた八郎と於古耶夫婦は子供に恵まれず、山の神に願を掛けた。授かった子供は大きなつぶ(タニシ)だったが、大切に育てられ庄屋の娘椿と結ばれる。椿の危機を前に人間となった「つぶっこ太郎」に、銀山を探し山の生活を脅かす役人たちが立ちはだかる―という粗筋。

 キャストは長い中断を感じさせない演技を見せた。場面転換の間をつなぐ子役のコーラスや巨大なセットなど、脇役、裏方の力も結集。大団円に大きな拍手が送られた。

 八郎を演じた会社員遠藤達郎さん(49)=同市胆沢若柳=は「やっと公演ができほっとしている。お客さまに喜んでいただけたようでやりがいがあった。次はマスクをせず、終演後に見送りができる状態になってほしい」と語り、達成感をかみしめた。来場した樋口ヤスエさん(80)=同市胆沢=は「これまで見ていない公演の方が少ないが、一番感動した」と話していた。

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