一関・平泉

地域と歩んだ校史 胸に 2小中で閉校式【一関】

閉校式でお別れの言葉を述べる新沼小の児童
閉校式で声を合わせて校歌を歌う大東中の生徒たち
新沼小

 一関市立新沼小学校(大鷹真校長、児童36人)の閉校式は12日、同市藤沢町の同校で行われた。児童ら関係者が、地域と共に子供たちを育んできた150年にわたる校史を胸に刻んだ。

 全校児童をはじめ、教職員、来賓らが出席。市教委の小菅正晴教育長が「初等教育の充実・発展はもとより、地域文化の形成拠点として明治、大正、昭和、平成、令和にわたり歴史を刻み幾多の人材を輩出してきた」と告辞し、佐藤善仁市長は「3月をもって歴史に幕を閉じるが、その魂は消えることなく4月からは藤沢小学校へと引き継がれ、発展することを確信している」とあいさつした。

 大鷹校長は「今日まで地域や保護者に多くのことを支えられてきたと実感している。本校で培った元気なあいさつや学習に対する集中、思いやりの心、そしてこれまで引き継がれてきた150年の伝統を自信に変え、育っていくことを願っている」と語り掛けた。

 お別れの言葉では児童が同校での思い出を力強く発声し、児童会の歌「大好きな学校」を合唱。最後には全員で「さようなら」と述べた。大鷹校長が小菅教育長に校旗を返納した。

 引き続き行われた「お別れのつどい」では、校史を振り返るスライドを上映したほか、同校の発展に尽力した貢献者に対して感謝状を贈呈し、合唱「ふるさと」を歌った。代表児童や記念事業実行委関係者らが、学校敷地内に建てられた閉校記念碑を除幕した。

 同校は1873(明治6)年、第7大学区第20中学区新沼小学として創立。学校統合により、4月からは藤沢小に統合される。

▲学校敷地内に建てられた閉校記念碑を除幕する関係者
大東中

 一関市大東町の大原、興田両中学校と統合し4月から新生「大東中」に生まれ変わる市立大東中(佐々木晋校長、生徒173人)の閉校式は12日、同町摺沢の同校で行われた。生徒や教職員が66年の歩みを振り返り、大東地域唯一の中学校としての新たな歴史の始まりに期待を膨らませた。

 関係者約250人が出席。教育委員会告辞に続いて佐藤善仁市長が登壇し、「地域と学校が一体で元気で活発な子供たちを育み、優秀な人材を輩出してきたのは地域の教育への熱意、支援のたまもの。大東中の魂が消えることなく新設される大東中に引き継がれ発展されることを確信している」と式辞を述べた。

 佐々木校長は「英知、健体、鉄志、玉情の校訓は大東中の魂として受け継がれ、望ましい生徒の姿を追求してきた。多くの仲間と切磋琢磨(せっさたくま)し、自他共栄の精神をもって大東町が一つになった新生大東中に引き継がれていくことを願ってやまない」とあいさつした。

 生徒代表で及川宗一朗さん(3年)が「歴史ある大東中の卒業生として学んだことを大東だけでなく日本や世界へと幅広く生かし、より良い社会に向けて取り組む一員として尽力する。統合になっても大東中の伝統を継承し、新たな良さを生み出してくれると信じる」とお別れの言葉を語った。

 佐々木校長が小菅正晴市教育長に校旗を返納し、出席者が校歌を斉唱した。

 大東中は1957年開校。69年曽慶中の一部を統合し2001年に新校舎が完成、05年曽慶全域が学区に加わり、市町村合併に伴い一関市立となった。14年に猿沢中を統合し、卒業生は計6795人を数える。

 新生「大東中」は同町摺沢字上堺ノ沢の大東中校舎を活用、普通教室の改修などの工事を進めており、4月8日に開校式を迎える。

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