一関・平泉

コロナ禍経て絆深め 田辺市(和歌山・姉妹都市)から一行参加【平泉】

武蔵坊弁慶役の真砂市長を先頭に、山伏姿で中尊寺通りを進む田辺市からの参加者。姉妹都市締結から40年を経た平泉町でりりしい姿を披露した

 平泉町で3日行われた春の藤原まつり「源義経公東下り行列」に、同町の姉妹都市となっている和歌山県田辺市の一行が参加した。同市は義経の家臣で強力と伝えられる武蔵坊弁慶生誕の地で、2022年に姉妹都市締結40年の節目を迎えていたが、新型コロナウイルスの感染が落ち着き、行動制限が緩和された節目で来町。行列後には同町関係者との交流会も催され、さらなる親交を深め合った。

 同町を訪れたのは、真砂充敏市長(65)、北田健治市議会議長(50)をはじめとする総勢23人で、2日から2泊3日の日程で来町。東下り行列には山伏姿の義経の家臣役として同市職員や地元ライオンズクラブのメンバーを含む11人が参加し、真砂市長が弁慶役、北田議長は増尾十郎兼房役をそれぞれ務めた。

 真砂市長が弁慶に扮(ふん)するのは初めてとのことで「弁慶のような体格でなく体力にも不安があったが、昨年姉妹都市40年を迎えていたこともあり思い切って引き受けることを決めた。行列に参加したことで当時の弁慶の万分の一だが苦労が体験でき、沿道の皆さんからの声援で改めて弁慶の認知度を実感することができて良かった」と振り返った。

 義経の北の方を守る役目を果たしたとされる兼房役の北田議長は「本格的に山伏姿となったのは初めて。しっかり役を務める」と語り、白髪の貫禄あふれる勇姿を披露。一行には、源義経公東下り行列保存会(千葉庄悦会長)からげた履きで錫杖(しゃくじょう)を手に歩く際の所作などの演技指導も行われた。

 両市町は弁慶生誕と最期の地となっているほか、奥州藤原氏の3代秀衡が同市にある熊野三山への信仰が厚かったことなどが縁で1982年に姉妹都市を締結。現在は「平泉の文化遺産」「熊野古道」と共に世界文化遺産に認定されているほか、同市が世界農業遺産、同町は日本農業遺産をそれぞれ構成する地域という面でも関連が深い。

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